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2006.01.22

自然は美しい、などと言うのは自然を知らないから言える事なんだろうな

自分は昔から雪が降ったり嵐が来たりすると興奮する性質なのだが、それは窓ガラス越しのエンターテインメントであるからで、実際に雪の中に放りだされたらそんなことは言っていられないはずで、それを人間の進歩と見るか退化と見るかで価値がまったく変わってしまう。こんな事を考えている時点で、既に傍観者としての立場を取ろうとしているのだけど。

1.『バレンタイン上等』 三浦勇雄 MF文庫J
2.『ファイナルシーカー』 小川一水 MF文庫J
3.『銃姫(6)』 高殿円 MF文庫J
4.『A君(17)の戦争(9)』 豪屋大介 富士見ファンタジア文庫
5.『フルメタルパニック! 燃えるワン・マン・フォース』 賀東招二 富士見ファンタジア文庫

1.頑張れ、根性を見せろ、という言葉は、非常に分かりやすい価値を持っているけど、あまりにも連呼されすぎるゆえにもっとも価値が減じている言葉でもある。もしそれを一定以上の説得力を持たせようとするならば、それを裏付けるだけの背景と、共感されるべき感情が無くてはいけない。それを欠いてはただの言葉に成り下がる、と思った。
2.アニメを見ていないのに作者名を見て買ってしまったのだが、仕事と任務と組織に生きる人々を格好良く描ける作者は、航空レスキュー隊が舞台のこの作品にはまさにうってつけの人材と言える。問題は、プロジェクトX的な感動育成装置になりかねないというところなのだけど(悪いわけではない)。
3.ここに来て分かり易い”宿命の敵”を出してきたのは、そもそも前回までで倒すべき悪というものが存在しないのだ、と言う事を繰り返し言ってきたことと矛盾するように思える。それでもなお”敵”を特定させてしまったのはなぜなのだろう。単に物語を終わらせるためだとは思えないのだが。
4.この作品の持っている根本的な”下品”さは、言うなれば工具の金槌にも似ている。無骨で分かりやすく、しかも効果的だ。このあからさまな分かりやすさは、読者に対する(負の)刺激となって、某かの反発を起こさせる事を期待しているのだろうが、しかし、そのような分かりやすさに対して、分かり難く反応してしまうところに今のオタクのどうしようもないところがある。自分のことです。
5.自らの組織を潰され、愛する女性を奪われた主人公が、強大な敵に対して孤独な復讐を開始する、と書くと冒険小説となってしまうのだが、実はまったくそのとおりな内容である。フルメタの特異なところは、そう言う冒険小説的主人公が高校生として生活するシチュエーションコメディなわけで、舞台が変わればこう言う展開になるのは当然ではあるのだ。

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