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2006.01.15

誤解だっていいじゃない

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あらしのよるに(1)』(文:きむらゆういち 絵:あべ弘士/講談社文庫)を読んだ。

絵本として出ていた『あらしのよるに』シリーズの内、第三部までを収録。最近では映画にもなりましたね、見てないけど。

内容については散々語られているので省略。経緯は詳しくないのだけど、もしかしたらこの作品、シリーズ化は考えていなかったんじゃないかと言う気がする。第一部に当たる『あらしのよるに』は、お互いの顔を見えないまますれ違い続けるコミュニケーションがなぜか噛み合ってしまう緊張感が素晴らしい傑作であり、何より深く読もうと思えばいくらでも深読みできそうな奥行きが感じられるのだけど、第二部が始まるとテーマが変わっちゃっているような気がした。まあ、考えようによっては第一部のテーマを拡大、発展させたものと捉える事も出来るので、不自然とまでは言わないけれど。

この作品で一環して語られているのは、要するにコミュニケーションの問題なんだと思う。人と人は(ここでは狼と山羊だけど)わかりあう事が出来るのか、と言う事。相手には決して教えられない、あるいは教えたくない自分と言う仮面を被りながら、それでも関わりを求める事の意義を見出していく事なのではないか、と思った。

まあ、ぶっちゃけて言えば、コミュニケーションの本質と言うのは”誤解”なんだよ、ということなんじゃなかろーか。それは誤解と勘違いと思い込みを経て、相手のことを”理解”したと”誤解”するということでもある。その誤解を積み重ねる事で、人と人ははじめて繋がり合うことが出来るのだ。

んで、その誤解がこの先どうなるのか、誤解をさらに強固なものとしていくのか、あるいは脆くも崩壊するのか、あるいは崩壊から新たな概念を再構築するのか、どう言う結果になるのか非常に興味深いところなのだけど、どうやら二巻までお預けと言う事らしい。

…正直、まいった。先が滅茶苦茶気になるので、速く続きをお願いいたします。

終り。

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コメント

映画は見ないの?

投稿: みしまっち | 2006.01.15 22:34

今のところ見る予定は無いです。

少なくとも原作を読んでからですかねえ。

投稿: 吉兆 | 2006.01.15 22:57

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