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2005.12.20

『銀盤カレイドスコープ Vol.6 ダブル・プログラム:A long, wrong time ago』読了

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銀盤カレイドスコープ Vol.6 ダブル・プログラム:A long, wrong time ago』(海原零/スーパーダッシュ文庫)読みました。あまりにタイムリー過ぎる時期で作者も大変だなあ、と思う事仕切りです。

最近のこのシリーズは、主人公であるスーパーヒロイン、タズサと言う存在に対して、周囲にいる人物の視点から描いていくと言う体裁をとっている。そうする事によってマンネリ化を上手く回避して、またキャラクターの持っている背景を描写する事によって群像劇的な要素を付与しているように思う。なかなか手間暇のかかることをやっているなあと感心した。

今回は今までタズサの引き立て役に甘んじていた二人、至籐響子とドミニク・ミラーにスポットがあたり、彼女達がフィギュアスケートに賭ける想いが描かれ、それゆえにタズサやリアなど、神に愛された天才たちに対する凡人の悲哀、あるいは諦念の物語となっている。

二人はある意味において非常によく似た、同時にまったく異なる生い立ちをもっているが、何より共通するのはフィギュアスケートそのものが、彼女達にとっては生きるための手段そのものであるということではないか、と思う。それゆえに、凡人である彼女達は色々なものを切り捨てて行くのだけど、結果、彼女達が行き着いた先で選んだ道と言うのが(それまでの人生と同様に)まったく正反対になってしまったのは皮肉と言うしかない(おそらく、彼女達の人生の対比を強調させるために、時間軸を逆転させて描いたのではないかと思う)。

彼女達の選択は、おそらく次巻以降の物語に繋がっていくのだろう。彼女たちの想いに対して、タズサはいかに受け止めるのか(そう、タズサは既に受け止める側なのだ)。期待したい。

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