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2005.12.14

『私立!三十三間堂学院(2)』読了

31609168
私立!三十三間堂学院(2)』(佐藤ケイ/電撃文庫)を読んだ。例によってamazonに書影が無いので、今度はセブンアンドアイから持って来て見た。

…………佐藤ケイってすげえな。まさか女の子一杯のハーレムラブコメ設定の上に、波乱万丈かつスリリングな大活劇、諸々の思惑が入り乱れる陰謀劇(やや誇張あり)をここまで見事に構築できるとは…。まあ、前巻からも同じような感想を書きましたけど、ますます「大河ドラマ」的な表現に磨きがかかっております。

どいつもこいつも自分の野望(=主人公をゲット)のために陥れる事をまったくためらわない姿を見ていると、人間って(女って)怖ええな…としみじみとしてしまう。もっとも、その泥沼の状況を何とか正常化しようと奮闘する者、逆に利用しようとする者、巻き込まれる者、為す術も無く無力な者とさまざまな立場のキャラクター(≠人間)を、佐藤ケイは見事な手腕で描ききっている。それぞれのキャラクターのスタンスの違いが見えるのが楽しいなあ。

つーか、何よりも、どいつもこいつも熱い女魂(なにそれ)が光っておりますなあ。己のプライドのため、あるいは一目ぼれ、あるいは計算から、己が精神を燃やし尽くし主人公へのアタックするさまは、紛れもなく『戦士』(=己がために戦うもの)に他ならない。特に今回の主人公に強烈なアプローチを仕掛ける須美や、その裏で暗躍する真奈といい、みんなすげえ「格好良い」。潔く、己の可能性と能力にすべてを賭けながらも、あるものは天命を持たず、あるものは己の心に負け敗北する。いやーお前らは一体どこの戦国武将ですか?惚れる。

まージャンル的にはバカラブコメなんでしょうけど、これはそれだけでは括れない一般性すら獲得した群像劇であると思います。これ、オタク的な素養を持たない人が読んだらどんな風に思うのかなあ。気になるところであります。

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