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2005.10.16

『アルスラーン戦記(11) 魔軍襲来』読了

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アルスラーン戦記(11) 魔軍襲来』(田中芳樹/洋伝社)を読了。

まちにまった6年ぶりの新作。もはや待っていることさえ忘れていたよ…。
とは言え、久しぶりに読んだアルスラーン戦記は、相変わらず面白かった。これだけ時間が空いていれば、作者、も読者の変質は避けられないところであるのに、以前と変わらないで楽しめるというのは一体どういう事なのかと思えば、それは僕の一部にアルスラーン戦記という領域が常にあって、僕の一部と分かちがたく結びついているせいであろうと思う。

と言うのは、僕が『アルスラーン戦記』を読み出したのは小学生が中学生のころだったと思うのだけど、読んだその時の印象が強烈で、一時期は何を読んでも田中芳樹と比べてしまうという時期があって、今ではそれほどでは無いけれども、田中芳樹と言う作家が僕にとって非常に重要な存在である事は間違い無い。未だに心のどこかには田中芳樹の小説を、繰り返し思い描いているような部分があるので、たとえ間が空いたとしても、さほどのギャップを感じる事も無いのだろう、と思う。

まあ、一時、田中芳樹が全然新作を書かなくなって、薬師寺涼子シリーズしか書かなくなってから、しばらく読むのを止めていた時期があったけど。ちょっとあのシリーズは肩の力を抜きすぎで(あと、知ってか知らずが科白回しがわざとらしいので)あんまり好きではなかったのですなあ。まあ、今読むと結構高度な事をしているのが分かるのでそんなに嫌いでもないのですが。

全然感想を書いていなかった。簡単に書く。
磐石な治世を送るパルスと反比例して、動乱に揺れ動く周辺の国々の権力闘争が前巻に引き続き描かれている。ギスカールやヒルメスなど、今までアルスラーンの敵役として描かれていた人物達が、それぞれの野心を果たすために不敵に、かつ華麗に活躍するところがたまらなく格好いい。特にギスカールが君主としての冷酷さ、人間的な野望、欲望が入り混じっているあたりがいい。しかも、生き残りフラグも立ったようだし、結構作者に愛されているような…。ヒルメスも、とある美女との出会いから野望を実現させていくところなど、お前はどこの英雄譚の主人公か、と言わんばかりの活躍ぶり。なんかヒルメス、一皮剥けましたね。
そんなことよりも大変に読者として結構なのは、エステル嬢の再登場ですか。次巻はパルスに向かうようで、アルスラーンとの再開が期待されるところであります。

とまあ、相変わらず登場人物が魅力的で、その活躍を楽しむだけでも楽しいのだけど、とうとう(ようやくか)蛇王ザッハークの復活が間近に迫っているようで、一体物語としてはどのように決着をつけるのかが気になるところです。まさか蛇王が復活して、それをアルスラーンが退治して終わり、何て事にはならないだろうしなあ。…いや、なりかねんか?

正直に言って、蛇王ザッハークとその一党たちと言うのは、本当に今更というか場違いなやつらだと思う。人間の時代が紡がれているそのときに、魔道の時代に引き戻してどうするんだっつーの。混乱はさせることが出来ても、この一党には新たな時代を作るような器量は無いな。だってただのテロリストだもん。というわけで、蛇王自体はあっさり退場するに一票。わからんが。

まあ、なんにせよ次巻に期待だ。また6年後とかにならなければいいが…。

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