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2005.09.15

『お父さんのバックドロップ』読了

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お父さんのバックドロップ』(中島らも/集英社文庫)を読了。

これは、”お父さん”についての短編集だ。”お父さん”とは子供にとっての最初のヒーローであり、大きな尊敬を捧げられる存在である。子供を”お父さん”に憧れ、”お父さん”は子供に夢を与える。

しかし、現実には”お父さん”と言えど単なる平凡な人間でしかなく、子供はゆっくりとそれに気付いていく。そして幻滅するのは避けられない事なのだ。”お父さん”だってつらくてやってられないこともあるし、挫ける時だってある。何かに八つ当たりをすることも在るし、卑怯な真似だってする。それは仕方の無い事だ。そうやって子供はゆっくりと夢を失っていくのである。

だけど、”お父さん”だって、子供のヒーローでありたいと願い、子供の夢を守りたいと考えているのだ。つらくて厳しい現実に対して、子供のために何とか足掻こうと努力するのだ。それがどんなにつらくたって、子供にとってのヒーローであるためには、そんなのいくらだって耐えられるのだ。

この物語は、”お父さん”がヒーローとして一念発起して頑張る物語である。あるいはその頑張るお父さんを見る子供の物語である。

平凡で、それでも子供のためにちょっと頑張るお父さん達の姿には、哀愁にも似た切なさと応援したくなるバイタリティがあった。

元気が沸いている作品である。

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