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2005.09.07

『涼宮ハルヒの陰謀』読了

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涼宮ハルヒの陰謀』(谷川流/角川スニーカー文庫)を読んだ。いやあ…本当に面白いなあ。

いきなり前前々巻の後始末から始まるあたり一冊の本としての統一感は欠片も無いのだけど、そもそも涼宮ハルヒと言う作品自体が断片的な出来事を拾い集めたような作品であり、物語的な統一感はそれほど重要視されていない事を考えればなんら問題点は存在しないものと思われる。むしろ、この作品の肝は舞台と世界背景、言い換えれば「設定」こそがもっとも重要な存在であり、設定の上にいくつもの出来事が演じられている壮麗なる舞台劇のような気がするのだ…てのはさすがに言い過ぎだな、うん。たぶん。

未来人、宇宙人、超能力者たちが入り乱れ、その中心部に涼宮ハルヒとSOS団がいると言う構図は一巻で完成されているものであるが、それら三者の中にも内部分裂や派閥の存在が匂わされながら、さらにそれぞれが別々の思惑で動いている様子で、状況を動かす要因がすさまじい勢いで複雑化が進んでいるのだけど、実はこれらの伏線と言うのはかなり最初の方から存在しているわけで(未来の朝比奈さんとか)、単にいままで要因が物語の表面に出てきていなかっただけに過ぎないと言うことだろう。ついにこの作品の牙を向いてきた、ということかもしれない。

複雑化する陰謀と裏腹に進んでいくキョンとハルヒのSOS団の関係は深まりを見せながらも、それすらも陰謀に取り込まれていくあたりは、これからの展開の壮絶さを予感させるような気がする。ラストの朝比奈さん(大)との会話から判断すると、現実と自我への不可侵性の崩壊と言う展開が予感させられるけど、『絶望系~』をやらかした谷川流であるからして、主人公たちのあらゆる可能性を奪い去る最悪の展開が待ち受けていないとは言い切れないのが恐ろしい。うーん、楽しみだなあ。

それはそれとして、長門のすさまじいメインヒロインぶりには腰が抜けるかと思いました。乙女回路が発動していますねえ。あと主人公、意外と独占欲が強いな(”俺の長門”とか言っているし…)。素晴らしいです。
 
  
全然関係無いですが、帯にアニメ化企画進行中とか書かれておりますね。まあ、その意気は買わないでもないけど無理に決まっているだろそんなもん、と言うのが正直なところ。アニメ化して面白くなる要素はいとうのいぢの絵以外一つもありませんよこの作品。

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コメント

吉兆さんのお怒りボールドがっ(゜□゜;

頼むからファンの泥水かけるようなことは
して欲しくないですね…なんかぱにぽにどころじゃない
原作の突っ走りぶりが某ブロコリアニメみたいに
ならないよう祈るばかりです…
個人的にギャラエンとかは好きなんですけどw

投稿: もりもり | 2005.09.08 01:33

ややや、お恥ずかしい。
ちょっと冷静さを欠いてしまいました。ちょっと先日の出来事が尾を引いているようで…。

原作ものを一概に否定するつもりはないんですが、涼宮ハルヒをアニメ化したところで、きちんとSFを書ける人材が現状のアニメ業界に存在していないのは明らかなので(ごく一部の例外はありますが…)、ごく普通の美少女アニメにしかならんと思うのですよ。良くて「戦闘妖精雪風」のアニメ版くらいかな、と。

いっそのこと押井守に作らせると良いのかなあ、と一瞬思いました。

多分、気の迷いですけどね。

投稿: 吉兆 | 2005.09.08 23:41

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