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2005.09.24

『読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』読了

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読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』(北上次郎×大森望/ロッキング・オン)を読んだ。北上次郎がぷりちー過ぎる。なにこの萌え中年。ありえねえ。

やっぱりプロの書評家って言うのは、本当に本が好きで好きでたまらない人間なんだと言う事が、この本を読んでいると良く分かります。北上次郎、大森望と言う当代を(ごく一部で)代表する書評家二人が、お互いに「これを読め。面白いから」と好きな本について語り合うと言う趣向である。ところがどちらも本に対する趣味が180度異なっているので、お互いの好みが噛み合わず、意見が平行線を辿ってしまう。これで自分の意見に固執するような人手あればさぞかしギスギスしたものになりそうだけど、そこはお互い酸いも甘い噛み分けた書評家である。面白くない本でも、それは自分には理解出来ないだけであって、異なる価値観の中にはそれを受け入れる読者がいると言う事実を理解している。それゆえにとても紳士的で、かつその意見のずれ具合が読んでいておかしいやら興味深いやら。
まあ、それでも貶されれば機嫌が悪くなるのは当たり前なんだけど、たまに意見が一致してクロスカウンターが発動すると、「なかなかやるな」「お前もな」とばかりに友情を確かめあってしまうのには思わず爆笑。本当に他人の書評を読むのには、こう言う異なる価値観を認識すると言う事に楽しみがあるからだろうね。

選書は結構偏っていて、北上次郎はハードボイルドや歴史ロマンなどで、大森望は現代SF、ミステリ、あるいはライトノベルなんかを上げている。少なくとも、どちらもベストセラーには興味が無くて、しかし、編集部が出しているベストセラーに対する態度が異なるのも面白い。大森望はマーケティング的な側面から評価しようとするものの、北上次郎に至っては、興味の無い本に対する極めて冷淡。決め科白は「~賞をとったのだから、良いんじゃないでしょうか(俺には興味は無いが)」かっこいい~。

北上次郎の魅力はこれだけに留まらず、自分の好きな本に対する熱い思いを語りに語ったり、理解されずにむきなったりと本に対する愛情が炸裂している。また自分の理解出来ない本に対しても一刀両断するのではなくて、きちんと敬意を持って接しているところも好感がもてる、と言うか見習いたいものだと思いました。

北上次郎の可愛らしいおっさんぶりが楽しめる一冊。本の雑誌も買うかな。

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