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2005.08.08

『電波的な彼女~幸福ゲーム~』読了

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電波的な彼女~幸福ゲーム~』(片山憲太郎/スーパーダッシュ文庫)を読んだ…大分前に。本を読むスピードに感想が全然追いつかない…。別に読んだ本を全部感想を書くというのも無理な話なんだけど、今までやってきたことを変えるのもきっかけが無いとなあ。

閑話休題(いや、まだ本論に入ってすらいねえよ)。

巻数が明記されていないため現在何巻目なのかタイトルから判らないシリーズである『電波的な彼女』も三巻目。今回も凄く面白いです。

”前世からジュウに仕えている”と言う少女、堕花雨との関係に少しずつ安らぎを感じつつあるジュウ。相変わらず怠惰な日常を送りながらも、雨を通じて、その友人である斬島雪姫、円堂円と出会い、その日常にも変化が招じつつあるが、それなりに平穏な生活を送っていた。しかし、ある日、突然街中で起こる無差別イジメに巻き込まれてしまう。徐々にエスカレートしていくイジメに苛立ちながらも無視しようとするジュウだったが、雨の妹、光もまたイジメに巻き込まれた事を知り、雨たちを巻き込みながら行動を開始する。

いやいや、主人公であるジュウは前回の凄惨な経験によって格段なる成長を遂げておりますね。それは彼の無力さを認めると言う事であり、それでもなお何かをしたいと言う自分の感情の自覚。そして無意味なプライドを捨て、他者(=仲間)を信頼することをきちんと学んでいます。偉いなあ。途中で雪姫も言っていたけど、この主人公は自分自身の愚かさをきちんと認識していると言う長所がある。それは頭が良いとか運動神経が良いなどと言う事とは別次元の長所であり、本質的にジュウの頭の良さが伺えます。

自分の無力さをきちんと自覚しているジュウは、だから滅多なことでは動かない。自分が動く事で何かが出来るとはまったく思っていない。それは、彼の人生に対する絶望感にも似た諦めが底辺になるような気がするのだけど、まあそれは置いておこう(そのあたりは今後のテーマになってきそうではあるが…)。自分以外の誰かが傷ついた時だけ行動を起こすジュウは紛れもなくヒーローの資質を持っているように思います。
頭は良くないし優柔不断なところもあるし鈍感な男であるジュウは、しかし、やっぱり本当にかっこいい男だと思うのは、そう言う割り切れない思いを抱えながら、それを正義だとか良くわからない言葉でごまかさず、真っ直ぐに自分の信条に疑いが無いところにあるのだと思う。変にひねくれていないと言うか。

相変わらず物語については凄惨の一言。実は死人などはほとんど出ていないにも関わらず、不毛極まりない犯人の精神が描写されています。極限まで研ぎ澄まされたナイフのような狂気と言う表現がぴったり来る。毎回、よくもまあスケールの大きい狂気を描けるものだと作者には感嘆するしかないと言う感じです。そしてその狂気が弱さに裏打ちされたと言うあたりが作者のバランス感覚ですかね。単にインパクトを重視するだけではないクールさがありますな。ただ、今回はサスペンス分は少なめに感じてしまったのだけど、それは今回はジュウが素直だったので、雨たちの行動が制限されることが無かったためなんだろうな。雨たちが余りに有能すぎるため、並大抵の謎では根こそぎ解決してしまうのはなんともかんとも。次はどうなるのかなあ。

ああ、読み終わった端から続きが気になるよ。光とのフラグがたったようだが、彼女の今後の立ち位置はどうなるの?とか、円に対する株を随分上げたので、次は円がメインになるんじゃ無いかなあとか、妄想が止まりません。助けてくれ。マジで。

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受信: 2005.08.19 15:35

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