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2005.08.20

『射雕英雄伝(1)~(3)』読了

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射雕英雄伝(1)~(3)』(金庸/徳間文庫)を読んだ…。他にも積読が貯まっているので、ちょっと冒頭を確認するだけのつもりで読み始めたら、読むのが止められないまま既刊分を読破してしまった。阿呆か。

阿呆でもいい!と言う事で作品紹介。
時は南宋。金の威勢はますます強く、南宋の運命は風前の灯火のようにも見えた頃。ある雪の一夜に事件によって、出会うまもなく引き離された二人の義兄弟があった。一人は雄大なる蒙古の草原で成長し、一人は金の貴族として育てられる。大いなる運命に導かれるように、二人は出会うのだったが…。

とにかく面白くてたまらん。奥義と絶技が飛び交う荒唐無稽なアクションシーンの爽快感もさることながら、不器用で才能ない主人公、郭靖が様々な武術を学び、いつしか達人達と伍するほどの実力を身につけていく過程なんざ、読者の超人願望を思う存分満たしてくれる。ある種、少年マンガ的な面白さがあって、なんにも考えずに読める部分なんですが、しかし、金庸御大は超人アクションに歴史小説のダイナミズムを取り込むことで、物語にさらなる広がりをもたらす事に成功している。中華正当たる南宋、女真族の国である金、そしてテムジン率いる蒙古。三者の思惑が絡みあい、主人公達はそれぞれの国の対立に巻き込まれて行くわけだ。

また金庸大先生の小説ではキャラクターがやたらと魅力的なのも忘れてはいけない。もうほとんどキャラクター小説と言っていいくらいに過剰なまでに立ちまくっています。特に女の子と爺さまが最高。つーか、一巻目に出てくるテムジンの娘、コジンなど”幼馴染””ツンデレ””主人公以外に婚約者””お姫様”とちょっと属性つけすぎなんじゃねーの…ってぐらいにすさまじい萌えっぷり。だけど、こう言うタイプの女の子は、金庸作品じゃメインヒロインになれないんだよな…哀れ。金庸先生が好きなタイプは、性格が悪くて我侭で善悪に縛られない女性らしくて、まさしく黄容と言うキャラクターがそれにあたる。これまたすさまじい破壊力で読んでて悶え狂います。
また、金庸世界(と言うか武侠小説の世界)では、武術家は年をとればとるほど内功を鍛えて強くなっていくので、とにかく爺さま連中が元気なこと極まりない。しかも、年をとって人格が練れているかといえばそんなことも無く、半ば仙人のようになってはいるものの、世俗に囚われないがゆえの好奇心でひたすら事態を引っ掻き回すばかり。このじじーどもがいなければもっと穏便にすんだんじゃねーのか…と呆然とすること仕切りであります。萌えー。

とにかく面白くて面白い本を読みたいと言うなら、金庸グレート御大を読むべし、だな。なーんか、ドラマ版の射雕英雄伝も見たくなってきたよ。知り合いに借りてこよう…。

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