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2005.08.18

『現代SF1500冊 乱闘編 1975-1995』読了

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現代SF1500冊 乱闘編 1975-1995』(大森望/太田出版)を読んだ。やたら面白い。

要するに大森望が過去に書いたレビューやら目録やらの編集作品になっているわけだけど、この本に収録されているレビューの時代には、僕はまだ小学生前後だったわけで、しかもその頃はファンタジーとライトノベル(その事は呼び名は違ったけど)ばかり読んでいたので、この時代のSFは読んだ事は無いと言う事もあり、まっさらに気持ちで読めた。やっぱり年代の違いか、最初の方の大森望の口調が微妙に80年代っぽく、「ボクタチ」風だったけど、すぐに普通の文体になってよかったよ…。僕はああいう文体は好かん。

しかし、大森望ってのは凄い人だ。SFがろくに読まれなかった時代に、手を変え品を変えSFを紹介し続けたと言うのも偉いけど、そのやたら偏った(と言うと聞こえが悪いか。独特の、かな)視点からの紹介が無類に面白い。折れはこれが好きだー!っていう熱情と、冷静に作品を評論する部分があって、レビューってのはこうするんだよな、と感心する事しきりである。僕もこう言う短くも適切に書きたいのだが…いまだかなわず。くそー。

SFだけじゃなくて、ファンタジーやホラー、ライトノベル(キャラクター小説)まで視野に入れて紹介しているのは当時のSF評論の中では異質だったろうなあ。ナポレオン文庫まで紹介しているのには仰天したよ…。

あと目を離せないのがSF関係者にやたらと喧嘩を売りまくったその芸風。本当に喧嘩を売りまくりで貶しまくりなのがすげえ。まあSFマガジンに移ってからは大分おとなしくなったみたいだけど、奇想天外時代のあれは読んでいて異常に面白かった。

過去の名作への案内としても、当時のSF裏事情みたいなものを知るのにも大変役立つし面白い本だと思うので、SFを何を読んだらいいのか分からん、という人にもオススメできるかな。今だと過去の絶版作の中にも復刻しているのがあるし。

次は「1996-2005編」だそうです。楽しみだなー。

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