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2005.07.23

『アーモンド入りチョコレートのワルツ』読了

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アーモンド入りチョコレートのワルツ』(森絵都/角川文庫)を読んだ。おお、面白いなあ。

面白いと言う噂ばかりは良く聞く森絵都の本。1996年刊行の単行本が、なぜか文庫化されていたので良い機会だったので読んでみました。噂にたがわぬ面白い本で実に良い。3つの中編のどれもが、単なる子供から少年少女時代への過渡期、まあ思春期の物語になっている。そして、陳腐な言い方になるが、一度しかない思春期時代のきらめくような感受性、終わり行く関係を描いているように感じる。これは『DIVE!!』も読んでみるべきかねえ…。この作品に収められている作品は、どれもクラシックのピアノ曲のイメージを受けているのだけど、残念ながら僕の音楽的教養は貧弱なものであるゆえ完全な理解は出来ていないかも知れない。しかし、ピアノ曲の持つ物悲しさをどの短編集も内包しているように感じられたと思う。

三つの短編はどれも面白かった。表題作の「アーモンド入りチョコレートのワルツ」のサティおじさんとの狂騒的であったかい交流は読んでいて楽しかったし、「彼女のアリア」のボーイミーツガールぶりも実に面白かったのだけど、敢えて言うなら「子供たちは眠る」が一番好きかな。少年たちの”特別な夏の終わりの物語”なんて僕の好みのど真ん中ですよ。そこに少年たちの複雑な感情が交錯し、少しづつ捻じれていく関係と、それらが一挙に解きほぐされ終焉する過程も素晴らしかった。章の胸の内を知った主人公の独白にはマジで泣きそうになる。

この作者の別の本も読もうと思わされた一作でした。

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ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他、少年たちだけ... [続きを読む]

受信: 2007.10.03 10:20

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