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2005.07.04

しつこく『塵骸魔京』について

すでに『あやかしびと』の方も始めているのだが、さらに『塵骸魔京』に付いて書く。しつこいですかすいません。まとまっていないんでメモ書きです。と言うか、『あやかしびと』も大変面白いんだけど、『塵骸魔京』と同一モチーフでありながら見事に真逆の物語になっていてびっくりする。こんな作品が同日に発売されるなんて、ある種の奇跡だよなあ。

・「燃え」が無い「盛り上がりに欠ける」と判を押したかのように感想を見かけるが、みんなそんなに「燃え」が好きなのか。そんなに卑怯で卑劣で強大な悪に対して、不屈の善が対抗し勝利する話が好きなのか。そーゆーのは、別に僕も嫌いじゃないし、フィクションの中ぐらい善が勝ってくれないと色々やりきれないけど、そう言う話だけをすべての基準にしていると、どっかの世界の警察みたくなっちゃうぜ。人は、己が悪と見なした相手を悪とする、と『Fate/stay night』でも言っていただろう(言っていたかな…)?ま、まあ、とにかく、単純な「わるいやつ」を作り出し、それを打倒させる事で爽快感を生み出す手法は、それこそ現実でもいくらでも行われている行為であって、その醜さってやつは決して忘れてはいけない事だと思うね(自戒、自戒)。さっき言っていた事と矛盾するかも知れないけど、フィクションの中だからこそ、そう言うことを忘れてはいけないのではないか、と思う。

・「塵骸魔京」を書いているシナリオライターが、実に誠実な人だと思うのは、そのように虐げられ「悪」とされざるを得なかった存在、すなわち「人外」の悲しみと誇りを描いている所だ。どうしようもない理由から、殺し合い、滅ぼしあわざるを得ない人類と人外の物語であり、そこには単純な「正義」と「悪」は存在しえない。あるのは、自然のすべてを駆逐せんとする人類と、従容と滅びを受け入れた、あるいは滅びに抗しようとする人外の歌だ。どちらが正しいと言うものではない。そもそも、この作品の中で答えが出されているわけでもない。ただ、滅び行くもの達の哀しさに、僕は心を揺さぶられてしまうのだ。

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