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2005.07.31

本日の購入物

1.『エアマスター(25)』 柴田ヨクサル 白泉社
2.『狂乱家族日記 弐さつめ』 日日日 ファミ通文庫
3.『かえってきた、ぺとぺとさん(2) まっくらやみのピィ』 木村航 ファミ通文庫
4.『G☆ZOOへようこそ』 佐々木淳子 ビブロス
5.『宇宙賃貸サルガッ荘(5)』 TAGRO スクウェアエニックス

まあ、正確には本日ではないのだが…。

1.エアマスターと渺茫の戦いにもクライマックス。しかし、ここで今まで出てきたやつらの敗者復活戦があったり、相変わらず脇役の輝きっぷりが半端ではない。でも、最後はエアマスターなのかなあ…。
2.日日日は本当に書くのが早いな。もう2冊目の刊行ですか。デビューしてから三ヶ月経っていないと言うのに、既に出た本が6冊だか7冊と言うのは…うーむ凄い。
3.アニメにもなって実に絶好調なぺとぺとさん。見ていないけど。それにしても、ぺとぺとさんってアニメ化するほど人気があったんだなあ…(今更言う事か)。
4.佐々木淳子ってまだ漫画を描いていたんですね…という驚きが先立ち購入。ところでこの漫画、超人ロックのサイドストーリーらしいのだが、言われなきゃわかりませんよ!
5.TAGROの描く賃貸SFも完結編。細かいところでSF的テーマに首を突っ込みながらもギリギリでガンガン漫画的な範囲に収まったかな、と。しかし、TAGROって漫画が上手いなあ。クライマックスのテンションからラストの余韻の引き方まで完璧だ。TAGROのプロっぷりを確認できて嬉しい限りです。また次回作を期待しております。

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『GOSICKs 春来る死神』読了

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GOSICKs 春来る死神』(桜庭一樹/富士見ミステリー文庫)を読んだ。相変わらず完璧な仕事だな…作者もイラストレーターも…。

とはいえ、完璧と言うのは、あくまでも萌えミステリとしてはと言う事ではあるけど、と言うとまるで貶しているみたいだが、実際には実に面白かったのでありました。ただし、多少ミステリに慣れていれば大体判るトリックになっているので、謎解き部分には過度の期待は禁物です。その分、ミステリに慣れていない人、例えば本来の富士ミス読者に向けて本格ミステリの面白さを布教すると言う意味では適切ではないかと思いました。うろ覚えだけど、作者も小中学生向けのトリックにしたとか、そんなような事をどこかで書いていたような気もする。記憶違いかもしれないが。

話が逸れました(いつもの事です)。

今回は本編のプレストーリーなる位置付けとなる、ヴィクトリカと一弥の出会いの物語。聖マルグリット学園で起こった事件を通じて、不器用なヴィクトリカと鈍感な一弥が拙いながらも交流を深めていく過程が描かれている。他人を拒否しながらも一弥からプレゼントされるお菓子だけは食べたり、つっけんどんな態度を怒られて目を白黒させるヴィクトリカの様子や、ヴィクトリカの振り回される一弥の活躍(?)などを眺めているだけでも大変にに楽しく、武田日向の細密極まりないイラストと相まってとても面白かった。本編では暗雲を立ち込めつつある二人の未来をよそに、まだまだお互いへの興味だけでおそるおそる近づきあう二人の関係が、キャラクター小説的に大変に良いと思いました。

桜庭一樹は、このような”萌え”に特化したキャラクター描写が大変に上手くて、きちんとエピソードを組み立てての描写を行うところがとても良いと思うな。
そして、その描写をする対象を思春期の痛みや苛立ちに向けると、途端にすさまじい切れ味を発することになるあたりに、桜庭一樹の非凡な部分があるのだと思う。

つまり、キャラクター描写とは要するに調理技術であって、そこで料理する素材を選ばないで料理出来ると言う事、とも言い換える事ができるのではないかなあ…とか。そんな事を妄想しました。

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2005.07.30

『フルメタル・パニック!悩んでられない八方塞がり?』読了

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フルメタル・パニック!悩んでられない八方塞がり?』(賀東招二/富士見ファンタジア文庫)を読んだ。特に感想は無い。

それだけではあれなんでもう少し。
面白くないわけでは全然ないのだけど、さすがに長く続いておりますからねえ。いつもと同じキャラクターがいつもと同じ事をやっているわけで、そこにはいつも通りの安心感があるので、つまらないわけではない。言ってみれば水戸黄門的な約束の面白さはある。

しかし、そこには一巻を読んだ時のような新鮮な気持ちは無いので(それを求めているわけではないけど)、特に何の感想も出てこない。まあ、前回読んだ時点から大分時間が経っているせいもあるのかもしれないのだが。前の巻を読み返したりしないからなあ、最近は。

内容自体は相変わらずのシチュエーションコメディなんだけど、さすがにキャラクターに寄りかかりすぎなストーリー展開なので、おそらくキャラクターに過剰の思い入れがないと苦しいのではないか、と思う。単品では毒にも薬にもならないが、続き物としては間違いではないのだろうが…正直、短編としてはあまり面白くない。短編は、キャラクター性よりも、作品の持つインパクトを(僕が)重要視しているせいかもしれない。

小説家としての作者の手腕には何一つ疑問を抱いていないので、とりあえず、長編を一刻も早く仕上げて欲しいと思った。いい加減、内容を忘れそうだ。

(最後の一文、ちょっと感想の範疇から外れたものになっていたので削除します。我ながらファンへの配慮が足り無すぎた)

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2005.07.29

『12月の銃と少女―Bad×buddy』読了

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『12月の銃と少女―Bad×buddy』(吉田茄矢/富士見ミステリー文庫)を読んだ。あらまびっくり、面白い(とてもとても失礼です)。

外出した時に本を持って出かけるのを忘れてしまい、やむなく出先の本屋で買った本だったのですが、これがなかなか真面目な本で驚きました(ツッコミ禁止!)。

どこがミステリーやねん、と言うところは相変わらずの富士ミスクオリティだが、作者の書きたいところはミステリーにはない事がはっきりしているので全然問題ないです。ようするに、この作品はハリウッド映画でよくある男二人の凸凹コンビの活躍を描いた娯楽小説なのでした。

直情径行で猪突猛進なホンダ刑事と、その年下の上司である普段はやる気が無いウォルターが、お互いに悪態を付き合いながら繰り広げるノンストップハードボイルド!…でいいのか?まさにアメリカンな感じで、謎めいた美女とのロマンスやら冷酷なマフィアなど、抑えるべきところをきちんと抑えていてよろしい限りである。物語が展開していく内に思いもかけない謎が明らかになってきたりととことんエンターテインメントを突き詰めております。文体も、どちらかといえば硬質で、コミカルなハードボイルドというべき作品内容にもぴったりだ。いやはや隙がねえ。
もっとも、あまりにもこだわりのあまり、微妙に富士ミス読者のターゲットを外しているような気もするのが、今後の展開が危ぶまれるところか…。続編は大丈夫なのだろうか…。

なにしろ萌えがねえからなあ。金髪ロリもいるにはいるが、とてもとてもLOVEには結びつきそうも無く、どちらかと言えば対等な協力者と言う感じだし。まあ、その外見の幼さと中味のプロフェッショナルぶりの落差に萌えるっちゅー人はいるかもしれないので、そう言うのが好きな方も読んでみても良いやも知れませぬ(僕のことなんだがな)。

続きよ出ろー(祈祷)。

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2005.07.27

『奔流』読了

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奔流』(田中芳樹/洋伝社文庫)を読んだ。最近、田中芳樹の中国物には伊藤勢のイラスト、という図式が定まったいるように思われる。漫画的でありながら絵画的でもある不思議なイラストが面白い味になっている気がしますね。

内容については言うまでも無く面白かった。というか滅茶苦茶面白かった。
田中芳樹の書く中国歴史小説を読むのも久しぶりのような気がするけど、何でこんなに面白いのだろう。それを考えてみると、やはりキャラクターの魅力と、歴史の壮大な流れを読み手に感じさせてくれる描写なのだろう、という至極当たり前の結論に至る。そこに至る結論には色々あったりするのだけど、まあそう言うことは他にも考察している人がいるだろうから省略(他力本願)。

とにかく、決して奇を衒ったキャラクター描写はしないものの、丁寧で多面的な描写が生み出す人物的な魅力はまことに素晴らしいの一言である。人間の陽性の魅力を描写しながらも、同時に暗い情念、どうしようもない愚かさを抱いた人間を描ける作家はそうはいないと思う。つくづくライトノベルを読んでいて思うのは、人間性というものに対するあまりに一面的な(ある意味楽観的な)価値観であり、愚かで醜悪な恐惰と同時に気高く力強い美しさの両方を、同時に持ち合わせるのが人間であると感じる僕にとっては不満なところなのであります(余談だが、それゆえにライトノベルの中では、僕にとって絶対に読めない作品と言うのが存在する。具体的なタイトルを挙げるのは止めるが、例えば、多くのキャラクターが入り乱れる群像劇でありながら、登場人物たちの人格が一面的で、あたかも物語を勧めるためのコマでしかないと感じさせる作品の事である)。人間は、いつも勇敢であれるわけではない、と言う至極当たり前のことなんだけどね…。

話が逸れたけど内容について。
三国史の時代から大分下った南北朝時代における大激戦「鐘離の戦い」を舞台で紡ぎだされる歴史ロマン。南朝、梁の若き名将、陳慶之を主要な人物に置き、数多くの登場人物たちが繰り広げる群像劇である。そこには野心と欲望、恋と悲劇が詰め込まれ、何十万人の兵士達が激突する大合戦。そんな大スペクタクルを、田中芳樹はからりと爽やかとさえ言える語り口で語って見せる。数多くの登場人物たちを見せながら、少しも混乱を生じさせない筆致も見事だが、やはり何より素晴らしいのは、過去と未来に思いを馳せるその視点だ。この物語そのものはある一つの戦いを語っているに過ぎないが、しかし、それら人物たちにも当然の事ながら過去があり、そして未来がある。そして国にも過去があり未来がある。この作品だけではなく、それに続く時間を感じさせてくれる点が、まさしく歴史小説の醍醐味だろうと思う。

田中芳樹の本の面白さを久しぶりに感じた一作でした。

…これで、本当にもっと作品を書いてくれたらなあ…。

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本日の購入物

1.『はやて×ブレード(3)』 林家志弦 メディアワークス
2.『われら九人の戦鬼(上)』 柴田錬三郎 集英社文庫
3.『われら九人の戦鬼(下)』 柴田錬三郎 集英社文庫

1.個人的にお気に入りの百合バカエロバトル漫画の三巻。面白いなあ…。相変わらず会長のキャラが絶品。気品溢れる美貌の生徒会長と言うありがちな記号だが、中味が面白すぎる人格のため色々ぶち壊しだ。今回も「すでに自立した子供の様子など生死が判れば十分でしょう」など名(?)科白が続出です。結婚して下さい(いや、落ち着いて考えろ)。
2と3.実は中学高校と父親の本棚にあった柴田錬三郎を貪るように読んでしまった時期があった吉兆さんとしては、どういうわけか集英社から復刊されたこの本に狂喜したのは言うまでも無い。読んでいなかったんだよなーこれ。SF、ミステリ、ファンタジーなども大変に好きだけど、実は僕の読書体験のかなり重要な部分を占めるのはエロスとバイオレンスが渦巻く伝奇小説であり、もう一つが剣技に優れた剽悍なる男たちの愛憎を描く剣豪小説であったりするのである。これを多感な(と自分で言うと恥ずかしい)小中高と一巻して読んでしまったため性格が歪みました(ちょっと嘘)。西村寿行は未だに僕のトラウマです。

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2005.07.26

『殿がくる!~ニッポン最後の日!?~』読了

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殿がくる!~ニッポン最後の日!?~』(福田政雄/スーパーダッシュ文庫)を読んだ。面白いなあ…。

織田信長が現代に現れて現代の腐った政治に対して物申す、と言う設定だけ読んでみると一体どこがライトノベルなんだと言う気がしてくるシリーズの完結編。でも、きちんと政治的なニュアンスを取り込みながらそれを打破する織田信長というかなり難しいことを、しかもライトノベル的なエンターテインメントを外さないままでクリアしていると言う段階で作者の技量の高さは疑いない。というか、読んでいて久しぶりに「か、勝てねえ…」と思ってしまった作者でございます。こう言う作品がたまに出るからスーパーダッシュ文庫は侮れねえ…。

まあ、作品単品として見ると粗は無い事も無いのだけど(いくら何でも順応早すぎとか、キャラクター小説としてはどうよとか、まあ色々)、そんなことは作品の面白さには何の関係も無いことはいうまでも無い。

今回で完結と言う事で、この上なく綺麗な終わり方。素晴らしい。続く新シリーズも楽しみにしております。

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2005.07.25

本日の購入物

1.『ロトの紋章~紋章を継ぐ者達~(1)』 作画:藤原カムイ 脚本:映島巡 監修:堀井雄二 スクウェアエニックス
2.『ロトの紋章 Returns』 藤原カムイ スクウェアエニックス
3.『ユーベルブラッド(0)』 塩野干支郎次 スクウェアエニックス
4.『ユーベルブラッド(1)』 塩野干支郎次 スクウェアエニックス
5.『鋼の錬金術師(11)』 荒川弘 スクウェアエニックス
6.『奔流』 田中芳樹 洋伝社文庫
7.『サマー/タイム/トラベラー(2)』 新城カズマ ハヤカワ文庫JA
8.『犬はどこだ』 米澤穂信 東京創元社
9.『歌う錬金術師』 加地尚武 ぺんぎん書房

ふはは!今日も大漁大漁!…はあ、買いすぎだよ…。
1と2.何で今更ロトの紋章なの?と言う疑問は置いておくとして、数年来の疑問であったアステアの謎(ってほどでもないが…)が明らかになってすっきりさっぱりである。ところで脚本って何なんだろう…。
3と4.ヤングガンガンで個人的に一押しな作品。ここまで真面目にファンタジーアクションをやっている漫画を読んだのは『ベルセルク』以来だ。なんとなく、雰囲気としては『ベルセルク』と『バスタード!』を足して2で割ったような印象かな。何気にエロい。
5.…ガンガンコミックスを買い過ぎだよな…。この鋼の錬金術師、全然話が進まないなあ。そこかしこにきっつい描写や設定を丹念に描写している関係上、致し方ないところではあるのだが…。それでもクライマックスに向けて動き出しつつある印象は感じられる。まったくおもしれえなあ。
6.田中芳樹の中国ものは、ただ田中芳樹が書くと言うだけで面白いと思う。キャラクターの見せ方と物語の動かし方は職人芸としか言いようが無い。これでもうちょっと執筆スピードをあげてくれれば…。
7.ノスタルジック時間跳躍SFの完結編。徐々に壊れ行く少年たちの夏がいかに終わりを迎えるのか。ああ、速く読もう。つーか、自分は終わりある特別な時間とでもいうべきこーゆー物語が好きなんだな。本当に。
8.米澤穂信の小説がこんなに立て続けて読めるなんて幸せだなあ。今気がついたが、『クドリャフカの順番』の感想を書いてねーや。早く書こう(と言いつつ書く事が思いつかん。だって凄い面白かった!以外に書く事が無いんだぜ?)
9.錬金術師のふたつ目。いや意味がわから無いから。ともかく、このシリーズはまだまだ続くのか。ううむ、一巻できちんと終わっている作品なので、あまり続けすぎると終わりどころが難しくなると思うのだが…。まあ作者を信じよう…。

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2005.07.24

またゲームの話とか。

最近18禁ゲームの話が多いなあ、と思わなくも無いけれども、なんだかんだ言ってもやっぱり好きなので書いてしまおう。

(個人的に)熱狂的なまでに好き過ぎる『塵骸魔京』を発売したばかりのニトロプラスの早速の新作の発表であります。9月30日に発売の『刃鳴散らす』。刃と刃が火花を散らす剣戟浪漫で萌えもエロも愛すらねえ修羅ども蠢く剣豪AVGになりそうで大変に素晴らしい。なに、またしても僕の妄想ですかこれ?ああ、あまりにも素晴らしすぎて理性が無くなりそう。うひひ。
ライターのコラムを読むにその文体も僕の好みだ。官能的とすらいえるほどに表現に淫した文章がたまらない。もっとやって~(知能が下がっているな…)。

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『火事と密室と、雨男の物語』読了

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火事と密室と、雨男の物語』(浦賀和宏/講談社ノベルス)を読んだ。とても面白かった。

周囲に対するルサンチマンを剥き出しにした主人公八木剛士が、ただ一人自分の価値を認めてくれた松浦純菜に対して意地を貼ったり嫉妬したり、でも真正面から向き合う事からは逃げると言った思春期のどうしようもなさを赤裸々に描いた作品。こう言う描写にリアリティを感じられる人間が果たしてどれくらいいるのかは分からないが、前回同様、少なくとも僕にとってはあまりにも現実味のありすぎる作品であります。イメージがわかない人は高校時代を思い返してみていただけると良いやもしれませぬ。ほら、クラスの中に一人ぐらい暗くてとっつき難くて周囲にバリヤーを張っている人間が一人ぐらいはいるっしょ?つまりそれですわ(まあ、実際には、程度の差こそあれ、誰もがルサンチマンを抱えているのだろうとは思うのだが…。もしまったく抱えていなかったら嫌だなあ)。そう言う不器用な人間について描かれている作品であります。

さて、どうしようもなく人生に煮詰まった八木少年だが、松浦純菜に出会ったことで自分の力について自覚し、結果、自分を特別な人間として見なす優越感と松浦純菜に対する仲間意識(あと単純な性欲も)を新たに抱え込む事になり、どうしようもなく揺れ動いてしまっている。そんな八木の前に新たなる能力を持ったひきこもりの少年が現れて、松浦純菜にとってのオンリーワンで無くなることへの怯えから、徹底的に相手を排斥しようとする。その不安定さはいかにも少年らしさで、結構嫌いになれないよな…。まあ、馬鹿だなあ、とは思うけど。

八木少年が純菜を助けるためにヒーローとして活躍してしまうのがこの作品の面白いところで、徹底して八木少年を痛々しく描写しているが故に、後半のヒーローぶりが実に映える。不覚にもちょっと感心したよ、彼には。

ただ、この作品は、明らかに痛々しい青春ドラマとしての側面が強いので、ミステリとしては全然成立していないのはしょうがないところかな。勝手に事件が起こった上に勝手に収束してしまうので読者に推理する余地を与えてくれないのはどうかと思ったが…まあそう言う話ではないのかな。

ともあれ、ウラガーとしてはまったく問題無く楽しめる作品でありました。続編をちょー希望(ちょーとか言うな)。

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『星界の断章Ⅰ』読了

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『星界の断章Ⅰ』(森岡浩之/ハヤカワ文庫JA)を読んだ。変な短編集だなあ…いや、面白かったけどさ。

『星界の戦旗Ⅲ』がOVA化すると言う話が持ち上がってるそうですが、一体いつ頃の話になるのでしょう。さて、それはともかく、過去色々なところで書いてきた星界の短編集がようやく一冊の本になりました。大体、収録されている作品の中には、平気で2000年初出とか書いてありますからね。ようやく、というに相応しいのではないかと思います。

内容については大変に面白かったのだけど、なんか異色と言うか変な作品がちらほらと見受けられているのは一体なんなのだろうか。つーか、作者が滅茶苦茶ふざけすぎ。最初は「饗宴」なんていきなり何事かと思ったよ。まさかコミケネタとは…。その後も続く作者の悪乗りは続き、2chや眼鏡委員長、白菜(?)などのオンパレード。いやあ、すげえなあ…ここまで作者本人が同人紙みたいなネタを繰り広げるとは…。まさしく圧巻であります。

とは言えそれは半分くらい。残りの半分はきちんと本編を綴っている。それを読んで思うのは、やっぱり森岡浩之って”会話”がすげえ上手いなあって事。うーん、勉強になるなあ。
この作者の知的でユーモアのある会話には、高校生の頃は随分憧れたものでした。こんな会話がしたいなあ、何て本気で思っていたよ(口下手なもので…)。

実は、今回読んで同じ事を思ったのは秘密だ。

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『シフト-世界はクリアを待っている-』読了

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シフト-世界はクリアを待っている-』(うえお久光/メディアワークス)を読んだ。メディアワークスのハードカバーへの殴りこみ計画の一環、なのだろう、多分。有川浩と違うのは、おそらくはファンタジー小説として売り出そうと言う姿勢が見受けられるところかな。大きさとかもそんな感じだし。

内容については僕は結構面白かったと思う。ただ、普段から電撃文庫などで読んでいる人からすると値段との兼ね合いから不満点もあるかもしれない。ただまあ、ハードカバーってのは高いものだし、同じような本を見渡せば妥当なところではないかと思う。

”夢の中のもう一つの世界”と言うのは、佐々木淳子の『ダークグリーン』(名作!)の設定を思い起こされるが、その夢を見るのが十代の少年少女たちだけに限られていると言う点が、この作品の特徴と言えば特徴か。その分、その世界は青臭く混沌としていて渇いた印象があるように思う。『ダークグリーン』では”敵”という存在は正体不明の、人間とは異なる存在であったのだが、こちらではその”敵”と”味方”という割り振りですら夢を見る子供たちの”役割”として演じられている。つまり、これはRPG、それもTRPGの延長にある世界観なのだろう。

その役割の中で迫害される事を運命付けられてしまった異形を抱えた”怪物系”である主人公たちが、ただ迫害され続ける世界に対してどのように対峙していくのか(好きで怪物系になったわけではなく、好きで人を害するわけでもない)と言う所がこの作品のテーマになってくるのだろうか。まあ、そう考えてみるとこれは正しい意味でのジュブナイルファンタジーと言えなくも無いのかも知れない(それにしては直接的過ぎるかなあ…)。ほとんど現実サイドの描写が無いのも、”夢の世界”がそのまま現実の反映になっているせいなのだろうね…って事はあまりこの設定は機能していないと言う事だよな。”夢”と”現実”を対比構造にしていくわけじゃないのかな?どちらも現実である、と言うことか。さすが、うえお久光。実にドライだ。彼にとっては幻想すらも逃避の場所にはなりえないのか(考えすぎです)。

さて、今回では結局完結しなかったんですが、これは続きは出てくれるんでしょうか。また、この作品構造をきちんとした形で物語に取り込むことができるのかどうかも凄く気になるので、なにとぞ、続きをお願いいたします。

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2005.07.23

『サマー/タイム/トラベラー(1)』読了

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サマー/タイム/トラベラー(1)』(新城カズマ/ハヤカワ文庫JA)を読んだ。こ、これはいまどき珍しいぐらいにジュブナイルの香りがする…。素晴らしい…。

例えて言えば、『時を駈ける少女』のようなSFジュブナイル的な雰囲気を回顧するような、非常にノスタルジックな作品であると思った。ひと夏の出来事を通じて体験する少年時代の終わりとでもいうような、過ぎ去りし過去への追憶が文章のそこかしこにあり、それは語り手である主人公の回想としてこの物語が語られているところからも間違い無いことのように思われる。それは既に通り過ぎた物語であり、決して戻る事の出来ない過去の出来事である。この物語は、おそらく、”決して戻れない過去”をテーマにした時間SFなのだろうな。そして、そう言う話は僕が大変大好きな物語であることは言うまでも無い(森絵都の本とも少し通ずるものがないでもない)。

また、この話は古今東西のSFへのオマージュ、引用に満ち溢れている。作中で上げられる大量のSF作品のタイトルを見るに、思わず読みたくなってしまうことは間違いなし。こう言う過去の作品へ言及することで、古きSFへの掛け橋を行おうという努力は大変に重要なことではないかと思う。残す努力をしなければ、すぐに忘れ去られてしまうものだからね。その意味でもこの作品は中学生、高校生に読んでもらいたい作品であると思った。

それにしても、僕が読んでいない名作なんて、本当にいくらでもあるのだと言う事を、この本を読んでいると痛感する。ああ、読みたい。本当に読みたい。なんだか、ますます読書への渇きが増してしまったような気がするのだが、それもまた本を読む楽しみと言うものかしら。

思いっきり話が脱線したけど、とりあえず、この本自体の続きが凄く読みたいなあ。近日中に続刊と言う事で嬉しい限り。まだかな、まだかなー。

 
えっもう出ているの?

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『星屑エンプレス 僕がペットになった理由』読了

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星屑エンプレス 僕がペットになった理由』(小林めぐみ/富士見ミステリー文庫)を読んだ。まあ、面白い。

小林めぐみと言えば、最近では『食卓にビールを』でなんとなく物議をかもし出したりしていたけど、今回はごくごくふつーのライトノベルSF(前回のはふつーじゃないライトノベルハードSFだった)でした。好戦的な地球人が宇宙を征服してしまった世界と言う、実に小林めぐみらしいひねくれた設定が心地よいですな。きちんと超未来における文化の変容と言うものを考慮して物語を作っているところに好感が持てます(はるか未来の話なのに、人々の常識が20世紀と変わらないってのはどうよ?っていうなんちゃってSFも多いからなあ)。

で、内容については、まあ面白かったとしか言いようが無い。活劇や陰謀劇もあるけど、そしてどれも水準以上に面白いとは思うけど、なにぶん作者の頭とバランス感覚が良すぎるので、物語として無理のある展開をしていないせいか、なんと言うか地味だ。まったく不快さを感じることない優れたストーリーテリングは大変に素晴らしくて良いのだが、読み易すぎて話が凄く短く感じてしまった。もっと厚みがあればなあ(読者の勝手な言い分です)。しかし、半ば異文化コミュニケーション的な分野にまで視野を広げた世界設定は、作者のクレバーさと確かな手腕を感じる。結構懐の深い話だと思うので、続巻にも期待できそうだな。次はSF的により突っ込んだ内容してくれると個人的には嬉しいなあ。

つか、この人は普通にハヤカワとかで本を出しても問題なくね?

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『アーモンド入りチョコレートのワルツ』読了

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アーモンド入りチョコレートのワルツ』(森絵都/角川文庫)を読んだ。おお、面白いなあ。

面白いと言う噂ばかりは良く聞く森絵都の本。1996年刊行の単行本が、なぜか文庫化されていたので良い機会だったので読んでみました。噂にたがわぬ面白い本で実に良い。3つの中編のどれもが、単なる子供から少年少女時代への過渡期、まあ思春期の物語になっている。そして、陳腐な言い方になるが、一度しかない思春期時代のきらめくような感受性、終わり行く関係を描いているように感じる。これは『DIVE!!』も読んでみるべきかねえ…。この作品に収められている作品は、どれもクラシックのピアノ曲のイメージを受けているのだけど、残念ながら僕の音楽的教養は貧弱なものであるゆえ完全な理解は出来ていないかも知れない。しかし、ピアノ曲の持つ物悲しさをどの短編集も内包しているように感じられたと思う。

三つの短編はどれも面白かった。表題作の「アーモンド入りチョコレートのワルツ」のサティおじさんとの狂騒的であったかい交流は読んでいて楽しかったし、「彼女のアリア」のボーイミーツガールぶりも実に面白かったのだけど、敢えて言うなら「子供たちは眠る」が一番好きかな。少年たちの”特別な夏の終わりの物語”なんて僕の好みのど真ん中ですよ。そこに少年たちの複雑な感情が交錯し、少しづつ捻じれていく関係と、それらが一挙に解きほぐされ終焉する過程も素晴らしかった。章の胸の内を知った主人公の独白にはマジで泣きそうになる。

この作者の別の本も読もうと思わされた一作でした。

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『NHKにようこそ!』読了

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NHKにようこそ!』(滝本竜彦/角川文庫)を読んだ。今気がついたが、これ、スニーカー文庫じゃないんだね。

この作品も『GOTH』と同様、単行本で5回ぐらい(数え切れないほどたくさんの意)読んだので本当に今更何も言う事がない(関係ないけど、単行本は初版を持っている。別に自慢にもならんが。本当に関係無い)。でも、前に読んでから大分時間も経っているため、作品の捉え方が全然変わっていることに気が付く。あるいは作品の捉え方と言うよりも、作品の持つテーマが、当時読んでいた自分にとってリアルタイム過ぎた、ということなのかもしれない。

初めて読んだ頃は、ここに書かれている内容があまりに身近すぎて、読むたびに頭を抱えてしまうところが合ったのだけど、今では大分距離を置いているような、そんな感じがある。それは自分が変化してしまったと言う事を実感させるとともに、過去に存在していた自分を強く意識させる。なんとなく懐かしさと言うよりも、過去と現在の自分と言うものの非同一性を強く感じさせるものであり、つまるところ寂しさに近いものであるように思った。あの頃の自分は、既に、この世のどこにも存在しないのだと。あの頃感じた気持ちは、もうこの世には存在しないのかもしれないと言う気がしてきて、なるほど、これが回顧と言うものか。

こんなことを感じてしまうのは、やはり僕も年をとったということであるのかもしれないけど、きっとまた数年したら同じような事を感じるのかも知れない。人間はそうして過去を後ろに積み上げて生きていくと言う事なのだろうな。少なくとも、数年前の自分は、今現在においてはやはり過去のことなのだと言う事は強く思う。

我ながら相当に恥ずかしい事を書いていると言う自覚があるが、まあたまにはいいだろう(たま、かなあ?)。

あ、また内容について書くの忘れた…。

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2005.07.22

本日の購入物

今日が部署異動に伴っての歓送迎会をやってきた。主賓は僕な。なのに参加料を支払わせるとは一体どういう事ですか先輩。

1.『おおきく振りかぶって(4)』 ひぐちアサ 講談社
2.『ヨコハマ買い出し紀行(13)』 芦奈野ひとし 講談社
3.『ど^-なつ』 北野勇作 ハヤカワ文庫JA
4.『渇きの海』 アーサー・C・クラーク ハヤカワ文庫SF
5.『図書館の海』 恩田陸 新潮文庫

1.表紙の百枝さんがエロいっす。エロ過ぎです。そんな煩悩にまみれたコメントをとは関係なしに相変わらずおもしれーです。すばらっしい。グッド。すまん、酔っている。
2.このシリーズも一体何年続いているんだ?作中時間もズンどこ進んでいるみたいで、店が直るまで6年かかった、なんて言う科白があってびっくりする。そんなに時間が経っているの!?
3.北野勇作の変てこなセンスは昔から結構好きだったりする。ただ、この人は小説を書くのにセンスを重視しすぎて技術的な部分を置いてきぼりにしている感が強いので、あまり多作出来るタイプではないのが残念な所だ。まあ、読む分には何の問題も無いわけだが。
4.なんか気の迷いで…。何で買ってしまったのか、自分でも良く分からないのだけど、まあ、最近はSFを真面目に読んでみようかな、と考えつつあるのでその一環かな?なんで疑問形やねん、僕。
5、恩田陸の本を久しぶりに買う気がします。昔、一時期ハマっていつも恩田陸を読んでいた時期があったのだけど、最近はちょっとおろそかにしてしまったなあ。今回は気が向いたので買ってみました。ところで、常世物語の続編が出ているのは素晴らしいですね。買ってないけど。

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2005.07.21

『本日の購入物』

1.『電波的な彼女~幸福ゲーム~』 片山憲太郎 スーパーダッシュ文庫
2.『鬼刻 二人舞』 城崎火也 スーパーダッシュ文庫
3.『ゼロの使い魔 <トリスタニアの休日>』 ヤマグチノボル MF文庫J

1.待ちに待った(主観)『電波的な彼女』シリーズの第三巻。どうやら結構人気はあるようで嬉しい限り。山本ヤマトも仕事が増えてきている感じもしますな。どちらも頑張って欲しいものです。
2.それなりに気に入っているシリーズ。なんか凄く久しぶりのような気がする…。
3.僕が購入する本の中でも一二を争う…までは行かないかも知れないくらいには駄目度を誇るシリーズ。なんなんだ。

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2005.07.19

『蟲と眼球とテディベア』読了

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蟲と眼球とテディベア』(日日日/MF文庫J)を読んだ。あー参った参った。日日日よ、あんたは本当に天才だよ。少なくとも現時点ではな(負け惜しみ)。

正直に言うと、日日日と言うのは天才と言うよりは天然ではないかと言う気がするのだが、それがなぜかと言うと、およそ普通の意味での物語の文法を無視し、物語の流れをカッティングする手腕に挙げられると思う。それはつまりどういう事かと言うと、本来であれば、世界観の説明に費やすべき場面を合えて省略したり、物語上重要なアイテムを主人公に渡すシーンをあっさりと描写させたりと、およそ演出的なことを考えると、本来はやってはならん(あくまでも僕の感覚ではの話ですよ?)事を平然とやってしまう。ところが、それで面白くないかといえば、むしろそれにより独特なテンポ、すっとぼけた味わいが生まれ、どこか良く分からない読後感を残しているように感じてとても面白い。好き放題に物語をいじくりながら、本当に重要な部分はそのままにしておいているような老練さ(と、言うのは少し違うような気もするが…無邪気さ?)さえ感じるのである。僕がこの作品内でそれを強く感じたのは、賢木愚龍(すげー名前…)に夢界獣(だっけ?うろ覚え)の卵が渡されるシーン。並のライトノベルだったら精々勿体ぶって格好をつける場面であるはずなのに、それを日日日はすっぱりさっぱりカットしてしまう。すげえ…普通の神経では無理だよこんな展開!?なんともとぼけた印象を受けてしまう。その後、色々シリアスな展開があったりバトルがあったりするのだけど、その省略によって生み出される「間の外し方」が絶妙で、なんとも不思議な読み心地だ。まあ、普通の意味での面白さではないんだけどな…。だが、その無邪気なまでの物語との戯れ方があまりにも無造作のように感じて危なっかしいな、と感じるとともにその天才ぶりには降伏するしかない。ああ、すげえよ。それは間違い無い。

なのにきちんと褒められないのは…理由はわかっている。これは嫉妬だ。醜いねえ…。

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本日の購入物

眠い。気力も無い。もう駄目…。

1.『サーラの冒険(5)』 山本弘 富士見ファンタジア文庫
2.『悩んでられない八方塞がり?』 賀東招二 富士見ファンタジア文庫
3.『新吠えろペン(2)』 島本和彦 小学館
4.『ワイルダネス(4)』 伊藤明弘 小学館
5.『ブラック・ラグーン(4)』 広江礼威 小学館

1.サーラの冒険の10年ぶりの新刊!であります。まっじで!?夢じゃなかろうな…。イラストも幻超二のままと言う事で、実にすばらしい。いやはや、長生きはするものですな(大袈裟)。
2.そういえばアニメを始まっていましたね、なフルメタの短編集。あー…長編の方は一体どうしたのかね?いっかな続きが出ないようですが。
3.まあ相変わらずと言うか、もはや飛びぬけた面白さがあるというわけではないけど、なんとなく読んでいないと落ち着かない。そう言う類の漫画家になりつつある島本和彦であります。逆境ナインも近いうちにそろえよう…。
4.おお、ハードな展開だ。伊藤明弘の漫画で、ここまで人を殺す事の是非を突きつけられた展開になったのってあまり無いような気がする。あと芹間が珍しくヘタレて居ないのも(いや、前半は十分に駄目だったが後半で持ち直した)新鮮でした。
5.相変わらずどいつもこいつもすげえ悪党っぷりでたまらねえ。普通の高校生活が描写されるシーンの違和感ありまくりなところがさすがブラック・ラグーンだ。

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2005.07.18

本日の購入物

うー…全然疲労が取れない。慢性的な寝不足が続いているし、ストレスが貯まっているのかなあ。何とかしようと思っても、気ばかり焦るばかりで空回り。リセットボタンはどこだー!?

1.『ヴィンランド・サガ(1)』 幸村誠 講談社
2.『結界師(8)』 田辺イエロウ 小学館
3.『からくりサーカス(38)』 藤田和日郎 小学館
4.『道士郎でござる(5)』 西森博之 小学館
5.『12月の銃よ少女』 吉田茄矢 富士見ミステリー文庫
6.『Noel』 シナリオ:竹宮ゆゆこ フライングシャイン

1.おいおいおい、ちょっと面白過ぎるぞ、これ。こんなすげーマンガをよりによって少年マガジンで書くかー?凄い事をするな編集部。チャレンジャーだ。とにかくドラマ的にも作画的にもハイレベルというか高度すぎて読みながら幸せのあまり悶絶するのだけど(やや誇張表現)、問題はこれ、少年漫画的な作劇を全然していないんだけど。大丈夫なのか?
2.むむう…相変わらず隙の無いマンガだ。主人公側のいかにも友情やアクションパートできちんと少年漫画をしていながら、兄貴側で権力の怪物たちが繰り広げる腹の探り合いを入れたりしているところがこの漫画の面白いところだと思う。
3.かなり強引な力技でまとめにかかっているなー。そのくせちゃんと面白いんだから作者の手腕には本当に恐れ入る。
4.健助、お前本当に器がでかいな。ちょっと並みの男では考えられないほどに男だねえ。一体誰が主人公なのやら。
5.今日、電車に乗るときに読む本を忘れた事に気が付いたので買った。こう言う買い方をしているから本が大変なことになるのは分かっているのだけど…。
6.すいません、これエロゲーです。当時、マリみての影響か、百合系のゲームがボコスカ発売された時期があったけど、ちょうどそのころの作品かな?
いや、『わたしたちの田村くん』が大層面白かったので、同じ人が企画、シナリオを書いたこの作品にも興味がわいたもので。一体、どういう経緯で電撃文庫に書くようになったのだろう…。

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2005.07.17

『平井骸惚此中ニ有リ 其四』読了

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平井骸惚此中ニ有リ 其四』(田代裕彦/富士見ミステリー文庫)を読んだ…大分前に。読んだことで満足していて感想を書くのをうっかり失念していたと言う、まあ良くある事ではあります。とりあえず簡単に。

平井骸惚シリーズも既に4巻目である。おそらく、富士見ミステリー文庫の中ではかなり真面目にミステリーを書いている作品ではあるのだが、それに加えて富士ミステーマであるLOVEも存分に盛り込まれており、とにかく大変に楽しい。講談調の地の文にはスルー出来る人と出来ない人がいるであろうから、そこが誰にでもオススメできるというわけではないのが残念なところ。

内容の方は、なんと関東大震災の最中が舞台。うーむ、チャレンジャー精神旺盛な事です。もっとも、さほど深い部分まで突っ込まれているわけではありませんが。震災の最中にしてはどうにものほほんとした雰囲気になってしまっているし、もうちょっと…なんとかなりませんかと苦言を呈したくなってしまうのだけど、そもそもそれは富士ミスというカラーを考えたら的外れの言葉であるのだろうから言いません(なら書くな)。

そう言う部分をスルーすると、これが大変に面白い。人間の愛憎が織り成す事件とトリック、そしてラブコメとライトノベルミステリとしての体裁を完璧に整えしかもどれも十分な高品位ぶりである。わーお、グレイト。京極夏彦リスペクトな部分も相変わらずな感じで面白かった。

それにしても、平井骸惚はだんだんブギーポップみたいな役回りになってきていて、すべての物語に決着をつけるデウス・エクス・マキナになっている。あくまでも主人公は太一君であると言う描写が明確になっていて、ラブコメ成分の事を考えるとこれが妥当なのか。なんとも安定感のあるのは良いのだけど、一体どこまでこのシリーズは続くくのだろう…。基本的に、一冊で完結方式なのでどこまでも続けられる内容ではあるのだよな。読者としては嬉しい事に。

次はまた別シリーズになるんだろうか。まー楽しみにしております。

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『GOTH 夜の章』『GOTH 僕の章』読了

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GOTH 夜の章』『GOTH 僕の章』(乙一/集英社文庫)を読んだ。はっきり言って、既に単行本で5回ぐらい読み直しているので今更新鮮な感想など出て来ようもないのだが、しかし、久しぶりに読んでみたらやっぱり大変面白く、全然飽きないのはさすがと言うかなんと言うか。

今回の文庫化に当たって特に書き下ろし分などは無いけど(あとがきは除く)、どういうわけか物語の順番を入れ替えて、ヒロインである森野夜、主人公の”僕”のそれぞれの物語としてまとめている。それで2分冊になっているのは正直気に食わないが、確かに通して読んでみると印象が微妙に違う気がしてくる。特に、夜の章だけを読んでいると”僕”のもつ異常性にはさほど注目されないので、ごく普通のヒーロー物としても読めないことも無い(無理か)。夜の不器用で不思議なキャラクターが中心になっているためだろう(「犬」は除く)。その後に僕の章を読んでみると、主人公の内部の暗黒が際立つように感じられるのである。ちょっと苦しいけどね。
あとがきを読むと、本当に乙一は小説を書かないつもりらしいなあ。ライトノベルと一般小説を巡る動きに愛想でもつかしたのかね。出来ればジョジョのノベライズだけでも書き上げて欲しいと切に願うのは、一ファンとしての我侭だ。

今回は各話感想はやらない。別に理由は無いけど、敢えて言うなら何度も読んでしまった作品を今更語ってもしょうがないかなあ、という感じがするからかな。あまり意味は無いけど。

全然関係は無いけど、久しぶりに読んでみたら「……」がやたら多用されているのが気になった。後に書かれた作品ほど多用されているので、当時の乙一の癖かな。ちょっと読みにくい印象を受けたのだけど、この文体は多分この『GOTH』だけだったと思う。だからどうしたと言われると困ります。

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2005.07.16

ゲームの感想リンクを作ってみた

なんだか『塵骸魔京』で検索が来る方は日に数人はいらっしゃるようなので、まあこんな零細ブログにも多少は需要があるのかね?と実は内心嬉しがりつつも素直になれないツンデレ眼鏡キャラこと吉兆でござるってもうあんた何人だとかそう言うツッコミはすべて遮断するATフィールド!とかよくわからない小学生的発想をかましつつ今日も暑いですねこんにちは。

と言うわけで(と、言うわけで!)日記内のゲーム感想をまとめてみた。そこで発覚する重大な事実!

…感想を書いているのがエロゲーばっかりだった…。

まるでこれでは僕が今時流行のオタクのようにみえてしまうではないか。でもどの作品も一般的な萌えゲーでは無いため、結局イマドキのオタクですらありゃしねえと言う現実。

畜生畜生、僕はオタクの分野でも流行のメインストリームになれないのかっ…!

まあどうでも良いです。

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ゲームの事とかのリンク

わりかしエロゲーが多いです。順番は適当。

『PRINCESS WALTZ』その1
『PRINCESS WALTZ』その2
『PRINCESS WALTZ』その3

『雪道』

『刃鳴散らす』

『鎖 クサリ』その1
『鎖 クサリ』その2

『最果てのイマ』
『最果てのイマ』その2
『最果てのイマ』その3
『最果てのイマ』その4

『SWAN SONG』

『塵骸魔京』と『あやかしびと』

『塵骸魔京』その1
『塵骸魔京』その2
『塵骸魔京』その3
『塵骸魔京』その4
『塵骸魔京』その5
『塵骸魔京』その6
『塵骸魔京』その7

『あやかしびと』その1
『あやかしびと』その2

『絢爛舞踏祭』

『リアライズ』その1
『リアライズ』その2
『リアライズ』その3
『リアライズ』その4

『Ever17』

『神樹の館』

『ひぐらしのなく頃に』
『ひぐらしのなく頃に 解』
『ひぐらしのなく頃に 皆殺し編』

『SEVEN-BRIDGE ~セブンブリッジ~』その0
『SEVEN-BRIDGE ~セブンブリッジ~』その1
『SEVEN-BRIDGE ~セブンブリッジ~』その2
『SEVEN-BRIDGE ~セブンブリッジ~』その3

『天使の二挺拳銃』その1
『天使の二挺拳銃』その2

『エーデルヴァイス』

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『マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ』読了

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マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ』(今野緒雪/コバルト文庫)を読んだ。さくっと瞬読読み終わるのが早過ぎる。まあ、これはこれで貴重な作風ではあるので良いとは思う。なんだかんだと言って面白かった。

で、まあ内容は相変わらず黄薔薇姉妹の妹問題が続いておりますが、由乃の(現時点における)最有力妹候補である奈々のキャラクターがなかなか面白く、普段の役回りでは回りを引っ張る(あるいはかき回す)由乃が圧倒されているのが新鮮なギャップであった。こう言うキャラクター間の反応を楽しむのがマリみての一番面白いところだと思っているので、個人的には大変に満足している。

ところで令の影が今ひとつ薄いのは黄薔薇の伝統だろうか。反面、祥子がどんどん変なキャラクターになっていて、繰り出されるぶっ飛んだ言動に、祐巳が一喜一憂したりフォローしたりするのが定番になっているのも安定感があってよろしい。なんだか最近、祥子というキャラクターが気に入りつつあるのだが、まさかここまで作者に弄られるとは…と思ったが、考えてみれば最初からこんな人だったような気がする。単に上役がいなくなって抑える人間がいなくなっただけかも知れない。この人は本当に祐巳のことが好きなのだね。

少しづつ蕾たちの妹問題にもケリが付きそうな気配が漂ってきているように思う。そろそろかな、と思うと同時に次は現薔薇様たちの卒業イベントも近づくと言う事になるので、あとはその世代交代をいかに描ききるのか。作者の手腕に期待したい。

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2005.07.15

『ロクメンダイス、』読了

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ロクメンダイス、』(中村九郎/富士見ミステリー文庫)を読んだ。相変わらず、小説である事の意義が感じられない作品です。と言うか、小説として書かないで、普通に詩とかエッセイにしてしまうのが一番しっくり来るのではないか、と思った。

なんと言うか、『黒白キューピット』の時は褒めたい気持ちと貶したい気持ちが6:7ぐらいだったのだけど、この『ロクメンダイス』は8:7ぐらいの割合です。どちらにせよあわせても10にならないが気にするな。感情は理で割り切れねえから感情って言うんだ!

いきなり逆切れしてしまったが、相変わらず語るのが難しい作品ではある。小説としては疑問符がつくし、ライトノベルとしては論外だが、どうしても捨てきれないものを感じてしまう。それはきっと心が死んでいく感覚と、確かなものなど何も無いという確信と、それを覆されることを望む我侭な心のなせる技なのだろうとは思うのだけど、思うからと言って割り切れるかと言えばそう言うわけではない。困った。小説としては全然評価出来ないのに切り捨てられない。というか、今回は、括弧付きではあるが「面白かった」…な。それも”ある意味”とかそう言うんじゃなく。
ただどこが面白かった、とかそう言うのではなくて、全体としての空気感が面白い…って『黒白キューピッド』と同じことを言っているな…。うーん、難しい。

誰か、この作品の面白さを論理的に説明してくれ!

おしまい。

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2005.07.14

『されど罪人は竜と踊るⅦ まどろむように君と』読了

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されど罪人は竜と踊るⅦ まどろむように君と』(浅井ラボ/角川スニーカー文庫)読了。また短編集かあ、と思った。すでに長編がどんな展開になっていたのか忘れそうだ。本を探そうにもダンボールの山の中にはまり込んでいて見つからず。一体どうしろと(別に…)。

このシリーズは、ガユスのギギナな相性最悪で常に相手を罵倒しあう二人のもはや芸(あるいはマンネリズム)の極地に到達しつつあるどつき漫才と、そして一流の実力をもつ二人が巨大な機構(もはやそれは組織のレベルではなくシステム)にとっては単なる駒でしかなく、徹底的に利用され尽くされる絶望的な理不尽さが特徴といえば特徴。これが普通に暗黒小説であればまだ良かったのだろうけど…。問題は、この作品は紛れも無くライトノベルであると言う事実だろうな。きちんとしたキャラクター小説でありながら、それらの体裁を嘲笑い、踏み砕く悪意が、刺のように読者に突き刺さる。

まあそんなことはどうでも良いけど、このシリーズは短編集も嫌いじゃない。どこにも出口が見えない長編のような救いようの無い展開も悪くは無いけど、短編の、思わず唇の端をゆがめてしまうような展開も嫌いじゃない。ただ、どうも、面白かった以外の感想が出てき難いなあ。

以下各話感想。

「黄金と泥の辺」
自らの大切なもののために命を賭けた男の、そのあまりに報われない結末に到達する時までを描いた作品。親友を救うために稼いだ金が、逆に復讐の対象となる結末はやるせない。本当に誰も救われてねえ。

「しあわせの後ろ姿」
男と女の話を真面目にやったらそりゃドロドロするのも当たり前なんだが、しかもそれが夫婦の別れ話で妻に愛人が(夫の後輩)出来て離婚の調停なんて話をやっているのは一体どこの昼メロかと。しかも下手に戦闘力が高いものだから危険極まりねえな、夫。しかし、男女の愛憎に落とさず、あえて組織に踏み潰される男という落とし方をするのは浅井ラボだよなあ。女にも組織にも見捨てられる哀れな男に自分を見るガユスの感傷を見るに、つくづくこのシリーズの『駄目人間小説』としての側面を感じました。

「三本脚の椅子」
面白いんだが、この人の物語の作り方において、最初にどうしようもないくそったれな現実があって、その中でほんのわずかに希望を見出すもののそれらはその後の破局の前段階に過ぎないと言うルーチンが確立しつつあるのが気になる。とは言え、今回のこれは、才能の有無というこれまた如何ともし難いものを描いているだけあって、逆に最後の悲しみは、結論を見出せない事への安堵を見せているように感じたのだがきっとこれは僕の個人的な感覚なのだろう。分析とかするなや。

「優しく悲しいくちびる」
久しぶりの馬鹿話。本当にすべてが馬鹿でくだらなくて最高なんだけど、時系列がすでに過去の出来事となっているために、それらすべてが悲劇に転換されてしまうのは上手い(と言ってもよいのか…)と思う。ラストのやり取りなんてあざとすぎて逆に感心してしまう。

「翼の在り処」
なんだこの奇人変人びっくり集団は。翼将ってのはみんなこんなのばかりなのか。その代わりに能力面においても本当に人知を超越していて、何これ、こんなのにガユスたちは勝てるの?とかほんの少し思ってしまったが、そもそもまともに勝敗が決まる(決められる)ような素直なシリーズではないのでこれでいいのだと思う。そもそもこのシリーズに勝者はいない。長い目で見ればすべてが敗者でしかないのだ。勝利する事の不毛さと、運命と言うものの無慈悲を描いたこのシリーズは、本当に少年漫画的なものへの憎悪があると思う。

そこがこのシリーズそのものの魅力であるのだろうなあ。

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2005.07.12

本日の購入物

ぐああ、買いすぎた。本だけで一万円がぶっ飛んだよ。ハードカバーは高いなあ。

1.『超人ロック ひとりぼっちのプリンセス』 聖悠記 ビブロス
2.『超人ロック 冬の虹(3)』 聖裕紀 少年画報社
3.『ナルニア国物語 カスビアン王子のつのぶえ』 C・S・ルイス 岩波書店
4.『GOSICK s 春来る死神』 桜庭一樹 富士見ミステリー文庫
5.『僕がペットになった理由』 小林めぐみ 富士見ミステリー文庫
6.『シフト-世界はクリアを待っている-』 うえお久光 メディアワークス
7.『飛鳥井全死は間違えない』 元長柾木 角川書店
8.『I LOVE YOU』 伊坂幸太郎他 洋伝社
9.『星界の断章(1)』 森岡浩之 ハヤカワ文庫JA

1と2.いつも通り。しかし、探偵編は忘れた頃に出てくるなあ。
3.つい買ってしまう。早く一巻を読もう。
4.短編集。相変わらず表紙と口絵が凄い。
5.新シリーズ。ああ、多分萌えもLOVEも無いんだろうな。小林めぐみだし。
6.メディアワークスハードカバー攻勢の…ええと、第何弾だ?3弾?この人の新刊は久しぶりだなあ…というのは感覚が狂っているせいですね。
7.この間(と言っても4月だが)『Sence off』をやったら、今更ながら元長ショックを受けてしまったので買いました、小説デビューとあるが…ファウストとSFマガジンは無視ですか角川。
8.なんか書いている面子が面白かったので買ってみた。あと執筆者の一人にとある作家の変名と言う噂があるのだが本当だろうか…。
9.うへえ、何でか知らんが今頃出た。本当になんで?本来ならば五年は前に出ていてしかるべき短編集だと思うが…ああ、権利関係で大変だったかなあ。

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『折れた魔剣』読了

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折れた魔剣』(ポール・アンダースン/ハヤカワ文庫SF)を読んだ。おもしれー。

もう三十年も前の作品(実際に書かれたのはもっと前だが)ではあるが、まったく古びていないどころが普通に面白いと言う事実がまず驚愕。神話的でシンプルなキャラクター造型のために、当時の時代的な背景に囚われ難いというところが勝因かな。また、世界各国の神話体系を一つに纏め上げる荒業と、たった今、神話的と形容したキャラクター描写に人間的な側面を付与したバランス感覚が、未だに生き生きとした英雄譚として成立させているように思われる。というか、本当にすごい力技で、何しろエルフとオーディーンとトロールと鬼が同一世界に登場してくる世界だからなあ。どこかのサイトでも言っていたが、これは”スーパー神話対戦α”なんですよね。

取り替えっ子、憎しみ合う双生児、近親相姦、魔剣とまさに英雄的な物語でありながら、主人公達のどうしようもない人間臭さを見せているあたりが独特。まあ、このあたりは解説にも書かれているので割愛するとして、ただただ波乱万丈のファンタジーを楽しむことに徹するとしよう。僕が一番好きなのは、主人公スカフロクのライバルにして、宿命的に破壊と殺戮を行うヴァルガルドだったりする。様々な破壊をもたらすくせに、どこか心のどこかで破壊を嫌悪する彼は、運命と言う名の禍に翻弄されざるを得ない人間の悲しさが会って良いと思う。また、このあたりの描写は、全編を漂う神話的な雰囲気から外れてひどく人間臭い印象さえ与えられた。それが悪いわけではなく、むしろこの作品は、神話と人間の世界のまさに半ばの物語なのだと言う事が感じられるところだと思った。

僕の根っこの部分には、こう言う神話的なファンタジーを好む部分があって、それは小学生の時にそれらに触れてきた時間に由来する。それ以来、僕はこの世ならぬ幽世と現世の狭間に住まうものたちの物語に心引かれるようになっているのだなあ。この『折れた魔剣』を読んで、そんな事を思い出しました。

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2005.07.11

『時間のかかる彫刻』読了

また感想を書くのをサボってしまった。リハビリを兼ねて書く。

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時間のかかる彫刻』(シオドア・スタージョン/ハヤカワ文庫SF)を読んだ。スタージョンを読むのはこれが2冊目となる。なのでスタージョンと言う作家の個性を十全に理解しているとはいい難いが、それにしても不思議な作家だと思う。一応SFの範疇に入る作品でありながら、ほとんど設定から見るに奇抜な部分は無い。半ば普通小説ともいうべき作品ばかりなのだが、作品に混じるほんのわずかなブレが、なんとも奇妙な味わいを生み出している。ああ、これがセンスオブワンダーってやつなのかなあ。

以下各話感想

「ここに、そしてイーゼルに」
まあ、そのまんまスタージョンの心の葛藤、と思い込むほどにうぶではないが、それにしても私小説の匂いが濃い作品。延々と神話的冒険談が続くのには一体なんの意味が…とちょっと理解できなかったのは秘密だ。いや、ロゲーロのすっとぼけた冒険や、ジャイルズ自身の悶々した放浪とか、読んでいるだけでも結構面白いんだけどね。結末がちょっと優等生的な回答っぽい気がしたのだが、これは人それぞれか。

「時間のかかる彫刻」
表題作。ああ、これは大変重要な事を言っている…様な気がする。うん、それは間違い無いのだけど、何分読んでから大分経っているのものでよくわからない。ひたすら男と女の対話が繰り広げられるという奇妙な構成だけど、”時間のかかる彫刻”を取り上げてのやり取りはなんともサスペンスフルだと思う。

「きみなんだ!」
これまた普通の小説。訳文か原文のどちらに原因があるのかは分からないが、全体を奇妙なリズムが覆っていて面白い。”きみなんだ!”で始まり”きみなんだ”で終わる内容も、まあこれしかない終わり方ではあるよな。

「ジョーイの面倒を見て」
ぎゃはははは。大笑い。笑っている内容ではないが。皮肉と(かなりブラックな)ユーモアに満ち溢れた良い作品だなあ。全然無自覚な主人公がたまらない。例によってSFの欠片も無い。

「箱」
ぐは、参った。スタージョンって手を変え品を変えて作品を書くなあ。どこか童話的でそれゆえの残酷さを持ちながら、そこで語られるのはまさしく人間の尊厳と愛の物語。わかっちゃいるんだがラストには不覚にも揺り動かされる。いや、本当にオチは分かっていたのだが。

「人の心が見抜けた女」
またブラックだ…。人間のどうしようもない救われなさと(あるいは救い?)、それを見つめてしまった女の物語。ラストの一文のあまりの絶望的な描写には気分が重くなる。文章自体はからりと爽やかであるのが余計にその印象は強い。

「ジョリー、食い違う」
いやもう本当に救いもへったくれもねえ!どうしようもないくそったれな日常を拒否して冒険を志し、しかしてその冒険に拒否され日常に取り残された主人公が、その日常にも見捨てられる過程が描かれてる。もうやだ。僕、もう帰る!(幼児化しています)

「<ない>のだった――本当だ!」
これはバカSF?立った一つの大法螺からよくもこんな変てこな話を書けるなあ。開いた口が塞がりません。政治とか権力を徹底的に愚弄しておりますな。

「茶色の靴」
ああ、これは”時間のかかる彫刻”の変奏曲ですね。愛か世界か。まあそう言う話なんでしょうか(多分間違っていると思う)。

「フレミス伯父さん」
まあなんつーか、僕もフレミス伯父さんに叩かれたいです。例えそれが矯正されたものであっても、それはそれで幸せそうだ。みんなヒーヒー言っているのだなあ。ああ、黒い。

「統率者ドーンの<型>」
…ある意味驚愕のラスト。なんじゃそりゃ。およそ、あらゆる独裁者を打倒する物語はあれど、こんな革命を起こす話は無いんじゃねーか?と思ってしまう。わからねえ…。

「自殺」
ああん、本当にスタージョンは性格が悪い。こんな作品を最後に持ってくるとは。てっきりラストで一波乱あるかと思ったじゃないか。こfれはぶっちゃけ、死と再生の物語ですね。死への痛みと恐怖を知った男が、生を自らでで掴み取るまでの物語。普通に感動的なんだが、しかし、なんだこの文学の香りは。スタージョンの強烈な思弁性は、容易くSFの垣根を越えてしまうのだなあ…何てことを思いました。

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2005.07.10

『あやかしびと』をコンプリートした

ここしばらく更新があまり出来なかったのは、『あやかしびと』と『絢爛舞踏祭』をやっていたせいである。ここまでゲームをやり倒したのは何ヶ月ぶりだろうか。『塵骸魔京』も含めればここ2週間あまり家の中ではゲームしかやっていない。まあ、仕事があったから外出しているケースもあったわけだが。どちらにしても更新は滞ってしまった。

ともあれ『あやかしびと』である。結論からいえばすごく面白かった。とにかく、自分の楽しい事を詰め込もう、自分の快楽要素をつぎ込もうと言うむちゃくちゃな情熱があり、そのため相当に歪でバランスも悪いが、それゆえの熱気がある。正直なところ、納得のいかない点も多々あるのだが、最終的にはどうでも良いやと思わされたので別に良いや。

以下、各ルート雑感。

・刀子ルート
いきなり最高。少年漫画的な伝奇設定とキャラクターと、美少女ゲーム的な恋愛、あるいは葛藤が組み合わさったある種の奇跡。脊髄反射的なギャグには好き嫌いが分かれるところであろうが、単純明快な熱血と強大な悪に立ち向かう設定からダークヒーロー的な面白さまで味わわくれるゴージャスぶり。ただ、ちょっと文句をつけるとするなら妖双七の設定について。途中までは双七の人格が闇に落ちたと言う展開で、彼の悲しみと憎悪に満ちた慟哭が殺戮に結びついていると言う描写にはゾクゾクするものを感じたのに、九鬼戦後の妖双七は明らかに別人格になってしまっている。あくまでも闇に落ちた双七としての描写をして欲しかったなあってところか。でもラストバトルまできちんと決まっていて興奮の嵐。堪能した。

・トーニャルート
ううむ、残念ながらあまり評価は出来ない。無論、つまらなかったわけではないのだが、基本的に曖昧な三角関係ラブコメがベースになっているので、そーゆーのはあんまり好きではない人間としては楽しみどころが少ない。いや、ハイテンションなギャグには腹を抱えて笑ったし、面白かったことは間違い無いのだけど。
問題は伝奇部分。ちょっと都合が良すぎる。トーニャを奪い返すために迫るロシアの特殊部隊と言うのはともかく、そのあとのドミニオンがなあ。全然物語的に意味無いじゃねえかよ。竜王を倒した後に突然ゾーマが出てくるくらいに意味不明(この比喩も意味不明だ)。戦闘シーンは悪くないだけに、余計に浮いている感じがする。

・薫ルート
悪くない。悪くないけどやはり気になるところが。すずのダークサイドが描かれると言うある意味垂涎のお話であったはずなのだが、あまり突っ込まれることなく終わってしまったなあ。彼女の弱さ、関係の歪さがこのルートのテーマなのかと思ったら、あっという間に解決してしまうのはなんともかんとも。トーニャルートもそうだったけど、物語中盤の繰り広げられたドラマが、後半のバトルにはほとんど関連がなくなっていると言うのはプレイしていて困る。バトルそのものはかっこいいし熱いのだが、全体のドラマ的には評価はほとんど出来ない。いや、本当にバトルそのものは大興奮したし、それが見れただけでもう良いや、という気分になる事は確かだ。虎太郎先生が唯一大活躍のルートでもある。九鬼耀鋼をまともにぶっ倒せるのは全キャラ中この人だけだなー。

・すずルート
完結編にして総力編。まあなんか色々設定が出てきたりして大コケしたりと相変わらずのあやかしびとっぷりのシナリオだが(褒め言葉)、最終シナリオだけあってそれぞれのキャラクター達の魅力が全開であります。それぞれのキャラが自分の適材を見極めそれぞれ協力して活躍なんてもうたまらない。ぶっちゃけ、ヒロインの中には本人のルートよりも活躍しているような気がしないでもない。刀子とか。少年漫画的な熱血とアクション、序盤の恋愛ゲーっぽいところとのバランスも良かった。ラストバトルの過剰に過剰を重ねてフィーバーした暴走感覚はもう最高で、あまりの直球極まりない灼熱ぶりには思わずもらい泣きをしてしまうほどであった。ああ、あの瞬間の高ぶりだけでもこのゲームをやっててよかったなあ、と思う(いや、他も面白かったが)。

というわけで、粗はいっぱいあるけど、それを補って余りあるほどに面白かった、というのでFA。ああ、面白かった。

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『絢爛舞踏祭』を買った

寸前まで買おうかどうしようか迷い続けていた『絢爛舞踏祭』をついに買った。ゲームが面白くて凄い事は、内容なぞ見なくても分かりきっているのだが、問題はきちんとゲームをやっている時間があるかどうか分からないと言うのが迷った理由の一つだ。まあ、結局、買わないと言う選択肢は無かったわけだが。

で、やってみた。

引っくり返った。想像を絶する作品。おそらく、今後、数年はゲームとして、これを越える作品は無いだろうと思うぐらいに凄い作品だと思う。作った人間は、良い意味で気が狂っている。少なくとも常人の発想ではない。製作者である芝村裕吏氏のプレイ日記を読んでみると、その異常さが少し分かる。ゲームの編成かぁ…まさにそう言うゲームなんだよな。

以下、現時点でのメモ。

・この戦闘システムを考えたやつ、出て来い。ぶっちゃけありえない。戦闘の要素を『深度』『速度』『機動』の三つに抽象化し、自機と敵機の相対関係を三角グラフによって表示するという、一目見ただけでは理解が追いつかない戦闘システム。イメージ、イメージ。だが、慣れてくると、ただの三角形の羅列が意味を持ち始めてくるのが凄い。三角形をみながら「上か!」とか「ええい、ちょこまかと!」とかひとりでに呟いている自分がいる。ありえない。

・キャラデザがリアルで萌えないと言う向きもあるだろうが、やってみるとその細密で精緻なグラフィックに驚かされる。影の付け方を見ているとゾクリとする。また会話時にアップになるキャラクターの表情が面白い。目をそらしたり伏目がちになったり頬を染めたりする。見ているとデザイン的にも女の子が可愛く思えてくるから不思議だ。というか、頬を染めて笑うカオリ(よ!久しぶり)を見た瞬間に七転八倒した。悶え死ぬ。萌えすぎて。

・とりあえず初回プレイは何が出来るのかを確かめるために色々やってみる。とりあえず良好な対人関係の築き方と戦闘は大分堪能したから、今度は別のことをやってみよう。ギスギスした雰囲気でも作ってみるか。三股プレイとか。少なくともまともにロールプレイが出来るようになるのはまだまだ先かな。

・大人技能には驚愕する。ここまで直接的なエロスが通るのかソニーチェック!「勝つってのは良いよな…」頬を染めて言うなカオリ。

・猫先生がエロい。完全無欠に猫だが。

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2005.07.09

本日の購入物

いかん。サボりすぎた。
 
 
1.『現代SF1500冊 乱闘編1975~1995』 大森望 太田出版
2.『火事と密室と、雨男の物語』 浦賀和宏 講談社ノベルス

1.大森望の過去の仕事を集めた本。考えてみたら、大森望が今までどういう仕事をしてきたのか、良く知らない事に気が付く。そりゃまあ、ここに納められている年代なんて、僕が生まれた頃のものも含まれているわけで、知らないのもそんなにおかしくも無いよな。…と自分に言い聞かせる毎日である(いや、別にそこまでじゃないか)。
2.ふははー。ウラガーたるもの当然のごとく購入。冒頭からして浦賀らしいドロドロぶりで最高です。ううん、八木は本当にルサンチマンの権化だな…。そんな彼が、純菜に引きずられてなんとなくヒーローになってしまう過程が、いかにも反転したヒロイズムを満足させてくれるのが上手いよな。

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2005.07.06

『あやかしびと』プレイ中

塵骸魔京』については完璧にコンプリート出来たので、現在は『あやかしびと』をやっています。いやあ、これはこれで大変面白い。少年マンガが大好きな製作者が、面白くしよう、もっと面白くしようと言う情熱を傾けまくった作品で、なんだか良く分からんが勢いがすんばらしい。粗も多いけど、まあそんなところを突っ込むような作品じゃねーな。しかし『塵骸魔京』と同じようなモチーフを使いながら、よくもここまで根本的に異なる作品になるものだなあ…。ただ、清く正しい少年漫画ノリを再現しているので、こっちの方がエロゲーマー的には受けがよいのかしら。どっちも面白い、良いじゃんなあ?何でみんな比較したがるんだろう…。

これらの作品間には、比べられるほどに共有しているところは無いと思います。

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本日の購入物

今日も手抜きだ。時間が無い。

1.『GOTH 夜の章』 乙一 角川文庫
2.『GOTH 僕の章』 乙一 角川文庫
3.『NHKにようこそ!』 滝本竜彦 角川文庫
4.『クドリャフカの順番 「十文字」事件』 米澤穂信 角川書店 
5.『アーモンド入りチョコレートのワルツ』 森絵都 角川文庫
6.『マリアさまがみてる 薔薇のミルフィーユ』 今野緒雪 コバルト文庫
7.『ナルニア国物語 ライオンと魔女』 C.S.ルイス 岩波書店
8.『混沌王 人工憑霊蠱猫3』 化野燐 講談社ノベルス

1と2.何をやっているんだ僕は…。単行本をもってるっつーの。もう5回ぐらい読み返しているっつーの。何で買っているんだ。
3.何をやっているんだ僕は…。単行本(以下略。もはやあとがきを読むために買っていると言っても良い。
4.来た。待ちに待った古典部の新刊であります。まさか続きが出るとはなあ、というのが正直なところだが(一瞬で消えたな、角川ミステリー…)、単行本で発売ってのもビックリだ。前作、前々作をあわせて買ってもお釣りが来るっつーの。
5.なんか僕の信頼する書評サイトで高く評価されていた。内容的にも、どうも僕の趣味っぽい。そんなわけで買いました。読めるのはいつだろう…。
6.まあ当然の選択だな。買ったは良いが瞬読してしまった。疲れているときに読むのには最適な本かも。
7.まーさーかーこれが新装版で出るとは。思わずつい買っちゃったよ。高い…。くそう、悔しいから舐めるように読み込んでやる。
8.なんか刊行ペースが速いなあ…普通のライトノベルみたいだ。考えてみたら全然このシリーズの感想を書いていないや。早く書こう。

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2005.07.05

本日の購入物

ちょっと忙しいので手抜き更新。

1.『オルフィーナ 新装版(9)』 天王子きつね 角川書店
2.『オルフィーナ 新装版(10)』 天王子きつね 角川書店
3.『武装錬金(8)』 和月伸宏 集英社
4.『アイシールド21(14)』 原作:稲垣理一郎 漫画:村田雄介 集英社
5.『DEATH NOTE(7)』 原作:大場つぐみ 漫画:小畑健 集英社
6.『D.Gray-man(5)』 星野桂 集英社
7.『魔人探偵脳噛ネウロ(1)』 松井優征 集英社

1.2.はオルフィーナ第一部完。このあたりになると絵が全然変わっていてびっくりする。原型を留めてねえ…。
3~7まで全部ジャンプコミックス。ジャンプ漫画買いすぎですよ…。『DEATH NOTE(7)』 はついに一部完。ここまでは傑作と言うか異常な怪作というしかない。結末が上手くいってもこけても漫画界に残る作品だろうなあ。あとダークホースなのが『魔人探偵脳噛ネウロ(1)』。何、この異常さ。やることなすことがいちいち狂っていて最高です。

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『デビル17(6) 鮮血の学園祭(中)』読了

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デビル17(6) 鮮血の学園祭(中)』(豪屋大介/富士見ファンタジア文庫)を読んだ。随分前に読み終わっていたのだけど、感想を書くのを忘れてた。最近多いな、そう言うの…。

とは言え、まだ中巻なので書くべき事が何一つ思い浮かばない!うーん、どーしよー。
まあ、相変わらずあらゆる欲望が肯定される世界の中で、対等に自分を愛してくれる相手を求めて彷徨う主人公の試行錯誤が描かれているけど、こいつ、対等の立場になった時、必ずしも自分を愛してくれるかどうか分からないと言う事を意識しているのかどうか。多分考えてねーな(作者はわからんが)。ここまで色々やって、唯一の女を見つけたら振られましたと言う展開にしてこの世の絶望を描いたら、このシリーズは神棚に飾ろうかと思います。嘘ですすいません。

でもなー、この主人公はマナ先生と言う保険を常にキープしているあたり、なんて姑息なやつだろうといつも思う。基本的にずるくて卑劣でどうしようも無いよな、主人公。そこを偽悪ぶって格好つけているあたり、確かに等身大の高校生っぽいよなあ、と思う。

全体的な感想については次の巻で。

ああ、書き忘れていたけど、3分冊にしてこの薄さにはかなりありえないと思う。

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2005.07.04

『かえってきた、ぺとぺとさん(1) フーコの空』読了

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かえってきた、ぺとぺとさん(1) フーコの空』(木村航/ファミ通文庫)を読んだ。相変わらず濃縮還元200%みたいな作品だな…。むしろ原液そのままか。素人にはオススメできない。

ちょちょ丸とともに町を離れたぺと子と、町に残ったシンゴ。お互いの気持ちを確かめ合った二人だったが、町で起こった不思議な出来事から、二人の関係にゆっくりと、そして少しずつ軋みを上げはじめていた…という話。

本当ーにこの作者は説明をしない。物語に装飾も施さない。ただ、ごろんと巨大極まりない物語の原石を無造作に(見えるように)ころがしているだけと言うところに、なんとも言えない凄みを感じる。それぞれのキャラクターの行動をただ見せているだけで、その内面を決して饒舌には語ってないのに何でこんなに面白いの?シンゴの心の揺れ動きを、彼の独白なんて一行も書かないで周囲の状況だけで描写するところなんて、本当に背筋が粟立ちました。こーゆー描写を出来る人の事を、本当の意味で小説家と言うのかもしれねえなあ…なんて戯言が一瞬浮かんだけど、さすがにそれは言い過ぎかしら。
今回もすごいところで終わっているので、続きが大変気になります。いや、あの事件自体はたいしたことは無いと思うけど(ただの誤解だし)、しかし、一度口にした言葉は取り返しがつかねーんだよなー。ああ、ハラハラする。今月出るはずだ。まだか。早く(まだです)。

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しつこく『塵骸魔京』について

すでに『あやかしびと』の方も始めているのだが、さらに『塵骸魔京』に付いて書く。しつこいですかすいません。まとまっていないんでメモ書きです。と言うか、『あやかしびと』も大変面白いんだけど、『塵骸魔京』と同一モチーフでありながら見事に真逆の物語になっていてびっくりする。こんな作品が同日に発売されるなんて、ある種の奇跡だよなあ。

・「燃え」が無い「盛り上がりに欠ける」と判を押したかのように感想を見かけるが、みんなそんなに「燃え」が好きなのか。そんなに卑怯で卑劣で強大な悪に対して、不屈の善が対抗し勝利する話が好きなのか。そーゆーのは、別に僕も嫌いじゃないし、フィクションの中ぐらい善が勝ってくれないと色々やりきれないけど、そう言う話だけをすべての基準にしていると、どっかの世界の警察みたくなっちゃうぜ。人は、己が悪と見なした相手を悪とする、と『Fate/stay night』でも言っていただろう(言っていたかな…)?ま、まあ、とにかく、単純な「わるいやつ」を作り出し、それを打倒させる事で爽快感を生み出す手法は、それこそ現実でもいくらでも行われている行為であって、その醜さってやつは決して忘れてはいけない事だと思うね(自戒、自戒)。さっき言っていた事と矛盾するかも知れないけど、フィクションの中だからこそ、そう言うことを忘れてはいけないのではないか、と思う。

・「塵骸魔京」を書いているシナリオライターが、実に誠実な人だと思うのは、そのように虐げられ「悪」とされざるを得なかった存在、すなわち「人外」の悲しみと誇りを描いている所だ。どうしようもない理由から、殺し合い、滅ぼしあわざるを得ない人類と人外の物語であり、そこには単純な「正義」と「悪」は存在しえない。あるのは、自然のすべてを駆逐せんとする人類と、従容と滅びを受け入れた、あるいは滅びに抗しようとする人外の歌だ。どちらが正しいと言うものではない。そもそも、この作品の中で答えが出されているわけでもない。ただ、滅び行くもの達の哀しさに、僕は心を揺さぶられてしまうのだ。

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2005.07.03

『メフィストの魔弾』読了

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メフィストの魔弾』(嬉野秋彦/トクマ・ノベルズ)を読了。いやまあ詰まらない事は全然無い。が普通。

エロス&バイオレンスが満載で楽しい事は間違いないが、何か新しいものがあるかといえば全然そんな事はありませぬ。広瀬総士のイラストは結構悪くないと思うけど、およそ表紙から想像されるようなライトノベル的な作品ではなく、むしろそれまで作者に染み付いていたライトノベル的なものをなるべく排除して、代わりに菊地秀行のような怪異と妖異が渦巻くドロドロを注入したような感じかな。ただ、主人公である女装の殺し屋と美女にも美少年にもなれる悪魔のコンビと言うなかなかライトノベルっぽい設定も残されていて、これはこれで不思議な味わい。まあ、全体的にはやっぱり菊地秀行なんだけど。良くも悪くも普通の伝奇小説であるので、他に言うべき事もありませんねえ。

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『塵骸魔京』雑感

『塵骸魔京』を読了(敢えてこう言う)。以下雑感。

・このゲームは、とても知的な作品だと思う。それは主人公の九門克綺が常に論理的思考を自己に課しているせいでもある。それと同時に、この物語全体通じて、決して一時の感情や思い込みだけで無理矢理話を進めようとしない”節度”のようなものが、僕に知的という印象を与えるのだと思う。ここで言う節度と言うのは、例えて言えばシナリオライターの羞恥心とか自尊心とでも言うべきものかも知れない。例えば主人公が街を護る事を決意する場面で、主人公はまず、自分の選択に対する徹底した意義討論を自己と行うあたりに表れているように思う。

・その知的さは、もしかするとファンが期待する「燃え」というものに対して相反しているものかもしれない、と思う(節度が生み出す物語は、いわゆるフィクションとしての荒唐無稽さを減ずる傾向があるのかも知れない)。正義と悪という対立項が存在しない世界で、愚かな正義と利己的な愛がぶつかり合う物語は決して爽快感があるとはいえないだろう。だが、僕が一番面白いと思うのはやっぱりそこになるわけで。特に、徹底した自分の行為への疑問、善も悪も混在したキャラクター達などにシナリオライターの誠実さが良く表れていると思った。ただその分、キャラクターの描き方には安易な記号化を許さない頑固さもあり、見た目に反していわゆる”萌え”も、まったくないとは言わないが、少ない(”風のうしろを歩むもの”なんかいい例だろう)。

・まあ、正直設定はあるけど消化し切れなかった部分もあって、ちょっと勿体ねえなあという所もないではないが、すべてを語り尽くされた物語ほど味気ないものはない。その部分は、きっと明かされないままで終わるのだろうが、それはそれでいいのかもしれないな…と言いたいところだが、さすがに牧本さんについてはひどいと思う。伏線までちゃんと張られているのに…。まあ、だからと言って『塵骸魔京 オルタナティブ』とかがでたら笑ってしまうが(だが多分出ないだろうなあ)。

・面白い物語が大好きな人にやってもらいたいゲーム。意外とSF好きな人には抵抗無く楽しめるのかもしれないな。逆に「萌え」も「燃え」もあまり無いので(そもそもそう言う話ではないと思う)、そう言うのを期待している人は注意が必要か。僕はニトロ作品の中では「Phantom of Inferno」の次ぐらいに面白いと思ったのだが。駄目か。

・あと、時々見かける感想に、”『あやかしびと』の方が文章力が上”と言うものがあるんですがそれはちょっと違うと思う。『あやかしびと』の文体は、いわゆるライトノベル的文体に準拠するものであり、デフォルメ表現や、砕けた文章を多用している。しかし、『塵骸魔京』の文章は、平易で奇をてらわない普通の小説の文体に近いものだと思う。そこには好みの差こそあれ、どちらが優れていると言うものではないのではないかなあ。ちなみに僕は『塵骸魔京』の文章の方が好きです。

・あ、書き忘れていたけど、このゲームのいわゆるエロスな場面の描き方には感心した。物語の流れを損なうことなく自然な導入であり、またその内容も単にヤっているだけじゃなくて(下品)、主人公とヒロインの関係の変化の過程を描いているのには感心した。まあつまり、そう言うシーンで、喧嘩したり仲直りしたり拗ねたり意外な一面が発見されたり臆病になったりする過程がちゃんと描かれている。いや、こう言うゲームでエロス場面をスキップしないゲームをやったのは久しぶり(エロゲーの存在意義を否定しているって?だって大抵のゲームで一番つまらないんだもん、エロシーン)。ゲラゲラ笑いながら楽しんでしまいました。

・萌えってよくわからねえなあ、という人。燃えってのもあからさまにやられる恥ずかしいよなあ、という人。面白い物語が好きな人(SF好きにも楽しめるかも)。エロゲーで一番いらないのはエロシーンだよなうん、という人。以上の方々にオススメです。

すいません。上の全部僕の事でした。

ちゃんちゃん(白亜紀時代のオチ)。

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2005.07.02

『塵骸魔京』プレイ中(5)

あー…終わっちゃった。マジで終わっちゃったよ。コンプリートする事で喪失感を感じてしまうゲームも久しぶりですよ…。あー僕の人生、これからどうすりゃいいのかしら。ちなみにたった今コンプリートしたばかりで感情がバーストしています。意味不明な文章が続きますので、人生を無駄にしたくない人は読まないで下さい。

つーわけで、花輪黄葉こと管理人さんルート、および傘の少女ルートをクリア。ゲハッ!もう駄目だ。こんなゲームをやってしまっては『あやかしびと』に手をつける気力もわかねえ。

イグニスルート、風のうしろを歩むものルートにおいて、主人公の影になり日向になり支え続けた管理人さんがメインヒロインとなる訳ですが、彼女のルートでも数々の人外と人間との間の種族間闘争を繰り広げられてはいるのの、今回は『塵骸魔京』の世界観を中心に、それまでの伏線の数々があきらかにされてゆく展開に。前二つのルートとはまた違った展開に、なかなかプレイヤーの気を緩ませてはくれません。今まではやたらと存在感はあれども動きの少なかったメルクリアーリ神父も活躍していて、夜闇の民にもスポットが当たっていて、いや、捨てキャラがいないね!素晴らしい。

僕の感情を揺り動かしてやまない『塵骸魔京』らしさも十全に発揮されていて、「それは、子供を見る母親の思い。夜に旅立つ父親の決意」(うろ覚え)とか、もうこの文章を書いているだけで気持ちか感極まってどうしようもない。本当にどうなっているんだ。

人間は非合理的な行動をいくらでも起こすけど、それは言うなれば祈りに似て。人々の思いは無力だけど、しかしそれを継ぐものはいて。種族の違いがもたらす掛け違いを乗り越えようとする人々がいて。人を殺す人と、人を助ける人外がいて。それら矛盾と思いが混在する人と人以外の者達がいる。それが『塵外魔京』であるのだろうと。

まあ支離滅裂なのは承知の上。なんちゅーか、僕が普段考えていることがそのままゲームになったような錯覚さえ感じるぐらいに僕のフックにジャストフィットしていてヤバイ。なんか途中から物語の展開が手にとるように分かってくるのが恐ろしい(いや、恐ろしくはないか)。ああ、次の科白はこんなんだろうな、とか思っていたら本当にそうなるし。キャラクターの哲学はやたら既視感を感じるし。畜生。マジでどうなっているんだ?このゲームは僕の妄想か?

はあはあ…。駄目だ思考が落ち着かない。とりあえず今日はここまで。落ち着いたら雑感とかやるかも。

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2005.07.01

『殺×愛 0‐きるらぶZERO』読了

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殺×愛 0‐きるらぶZERO』(風見周/富士見ミステリー文庫)読了。ここまでまっとうなセカイ系は久しぶりに読んだなあ、という印象かな。

思うにセカイ系というジャンルが存在するのは、痛みも喜びも哀しみも怒りもすべて自分の中に抱え込んでいまう不器用な人間が、この世(特に若者)に常に一定の割合で存在しているためなのだろうな。(きっとこんな事はどこかの偉い人が既に言っているに決まっているだろうが)敢えて言うなら、苛立ち軋みを挙げる自分の心を持て余し、それを他者と共有すれば楽になるものをいつまで経っても後生大事にとっておく人間の心の地獄こそセカイ系、とか。そう言う人間は、例えば彼とするけど、すべてを自分の中に抱え込んでいるため、結局自分以外の人間の存在まで手を伸ばしている余裕がないのだ。自分の手の届く範囲ぐらいしか干渉する余裕がない。はっきり言って、そんな暇はないのだ。ただただ生きるだけで精一杯の彼にとっては、彼の葛藤こそがすべてであり、そこから抜け出そうともがき苦しんでいる。それは、世界を自らの肩に乗せたいて踏ん張りたいという英雄的行為への憧れとも似て、結局は自己犠牲による自己救済というとても救われない結末が待つしかないのかもしれない。ああ、そうか。セカイ系は少年の世界なのかな。

いきなり電波文をかまして引かれたかもしれないが、そう言う話なんですよ、これ。世界の命運を握った少年が、彼のごくごく平凡な願いを叶えるため、世界を背負って戦っている。そんな彼を救済(=殺害)してくれる少女とのボーイミーツガールの恋物語なわけです。つらくて苦しい内的世界からの脱出と開放を夢見て、少女と恋して殺される事を願う。世界(自分)の命運ここにあり、だ。

でも、それのどこが悪いって言うんだ?死ぬ事を願っちゃ駄目だってのか?

まあそう言う話。

タイトル通り、今回はプロローグであって、少年と少女がいかにして出会ったのかの物語。
続きもきっと読むでしょう。だって、未だに僕もセカイの中にいるものですから(いい年して何を言っているんだか…)。

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