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2005.06.21

『リメイク』読了

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リメイク』(コニー・ウィリス/ハヤカワ文庫SF)を読了。やっべ、すげー面白いのに映画に詳しくないせいでネタがほとんど分からない。勿体ない事をしたなあ…。

とはいえ、大変面白かった事には代わりが無いので満足はしている。さすがコニー・ウィリスと言ったところかな。

舞台は近未来のハリウッド。そこでは新しい映画を撮られること事は廃れ、もっぱら顔だけをコピーしたデジタル俳優がもてはやされ、生身の俳優の出番などはなくなってしまっている。映画を愛し、愛しすぎるが故に映画を冒涜をする「リメイク」の仕事を請け負う学生トムは、パーティで美しい女子学生アリスと出会う。彼女はなんとミュージカル映画でダンスを踊るという夢を抱いていたのだ…と言うあらすじ。

リメイクしかされなくなったハリウッドと言うのは、続編、リメイクがもてはやされる昨今を皮肉っているようで面白い。このままデジタル技術が発達していけば、ここで描かれている事は決して絵空事ではなくような気がするけど、まあ、そこは置いておこう。

重厚長大の印象(注…勝手なイメージです)があるコニー・ウィリスの作品にしては、とても軽くておしゃれでロマンティックな物語。ロマンティックなのはいつもの事だけど、映画とダンスと言うモチーフがそれをより強めているように感じられる。全編に映画の薀蓄が散りばめられ、絶え間なく台詞が引用される所には映画が好きな人ほど楽しめるんじゃないかなあ。僕は前述の通り詳しくは無いので、引用の9割は分からなかったけど、何、気にする事は無い。はるか過去の映画に突然現れたアリスの姿、デジタル技術でリメイクされたものではない彼女の姿の謎。その謎を牽引力として、映画を愛して夢敗れた男と夢を信じて追いかけ続ける女の恋を描いた作品は下手なサスペンスよりもスリリングだ。さらにしかも、しっかりとSFであるというなんとも贅沢極まりないおはなしである。

ああ、面白かった。
短い分、コニー・ウィリスを読んだ事の無い人にも抵抗無く読めるのではないだろうか。オススメです。

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