« 本日の購入物 | トップページ | 本日の購入物 »

2005.06.20

『座敷童にできるコト』読了

4840230587
座敷童にできるコト』(七飯宏隆/電撃文庫)を読んだ。まあまあ面白い。

終末SFものでビルドゥンクスロマンというかなり変わった事をやっていた『ルカ 楽園の囚われ人たち』で電撃大賞で大賞を受賞した作家の受賞後第一作になる。

まあ堅実と言うか、相当に売れる要素(セーラー服、(見た目)同年齢の少女と同居、戦闘美少女)を突き詰めていったのだろうと言う事は理解できるのだが、どうも見事なまでに滑っているような…。つか、作者、実は萌えを全然理解していないね?ま、僕も理解できているわけではないのだが、あれはひたすらに過剰に過剰を重ねていくのが一つの方法論であって、この作者の良さと言うのはそう言う部分には無いと思うだが。何でこういう作品を書かせるかな電撃文庫…。

いや、ごく普通のジュブナイルとして読めば、なかなか良く出来ているとは思うのだけど。はっきり言って座敷童と言う設定は意味があるのか無いのか良く分からないのだけど、人間の見えないところで少しづつ侵略されている場面とか、人間の精神が自覚の無いままに何者かに操られ、敵に取り込まれてしまう恐怖など、実にノスタルジックな(眉村卓とかあの辺の)侵略もの様相さえ呈しているように感じられるジュブナイルであると思う。クライマックス付近における”敵”の片鱗が明らかにされるところなんか背筋がゾクゾクするぐらいにSF的な設定が垣間見られて僕は良いと思う。

問題は、変にライトノベルを意識した人物描写や、妙にライトノベルを意識したドタバタ劇や、無意味にライトノベルを意識したバトルやらが面白くないんだよね…。何て言うか普通。良くも悪くも普通。この作者はあんまり頭のネジが外れたものは書けないのは分かりきっているのだから、真面目に叙情的な感性に任せて書かせれば良いのになあ。とりあえず、キャラをもっと普通にしてくれ。ドタバタもいらん。バトルもどうでもいい。普通に書いてくれれば素晴らしいジュブナイルSFになるのに…と思ったがそれじゃ売れないんだろうなあ、やっぱり。

よし、ハヤカワよ、今のうちに七飯宏隆に唾をつけておくんだ!この人はSFのフィールドだったらすごいものを買くぞ、きっと。たぶん。

|

« 本日の購入物 | トップページ | 本日の購入物 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29313/4542246

この記事へのトラックバック一覧です: 『座敷童にできるコト』読了:

« 本日の購入物 | トップページ | 本日の購入物 »