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2005.06.05

『ローマ人の物語(6)(7)』読了

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ローマ人の物語(6) 勝者の混迷(上)』、『ローマ人の物語(7) 勝者の混迷(下)』(塩野七生/新潮文庫)を読んだ。相変わらず面白かった。まあ再読なんだから当たり前と言えば当たり前だけど…いやそうでもないか。

ところでこの作品の面白さと言うのは、ローマ人の生き生きとした生き様を描写するところにあると思うのだが、それと並んで作者の視点が常に存在しているところがあると思う。ローマの社会制度や人物のエピソードなどを躍動感たっぷりに描き出す筆致がとても楽しい。何より、塩野七生のローマが好きだと言う気持ちが文章のそこかしこに表れていて、例えばエピソードを紹介する時の、冷静なようでいて「カエサル萌え~」な熱情が溢れているところなんてついおかしくなる。もっともそう言う作者の内面は高い技法によって糊塗(っつーと表現が悪いが…上手くエンターテインメントに昇華していると言う事かな)され読者は不愉快な思いはさせられない。ただただローマに生きた人々のエピソードを楽しむことが出来るのだ。

まあそれは置いといて。この巻(面倒だから上下で一冊として扱います)ではカルタゴとの戦争、いわゆるポエニ戦争を勝ち抜き地中海の覇者となったローマ共和制全盛の、しかし、その体制が崩壊の兆しを見せ始めた頃の時代。あまりにも強大になりすぎたローマにも、歴史の常からは逃れられずゆっくりと腐敗の波が押し寄せる。そのローマの腐敗を正そうと立ち上がったのは名将スキピオの血に連なるティベリウスとガイウスのグラックス兄弟である。しかし、ローマの再生に賭けた二人の理想は、半ばにして推進者の横死という形によって幕を下ろすのであった…と言うところから始まる内乱の一世紀の物語。ローマへ反旗を翻した同盟国との戦争、奴隷の蜂起、混乱に付け込んでローマに挑む小アジアの王、ミトリダテス三世。それに対して勝利を重ねるマリウス、スッラ、ルキウス、ポンペイウスなどローマにおいても、否、地中海世界全体においても屈指と呼ばれるほどの名将たち。しかし、彼らにおいても混乱するローマを立て直す事は出来なかった。ローマは根本的な解決策を今なお見る事も出来ず、時代はカエサルの到来を待つ事になる…。

た、たまらん。駄目だ、あらすじを書くだけで楽しすぎる。数多く登場する英雄達(まあ中には独裁者として粛清を振るった人間もいるわけだが)が、その力を振り絞って運命に立ち向かおうとするも、その力が及ばす崩壊を続けるローマ。その悲劇性というか、人間の力ではどうにもならない流れに取り込まれる人々という、僕の大好きな物語だ。僕はそう言う人間が根本的にもつ悲劇性と言うものに非常に揺さぶられるものを感じるのである。
一般的にはこの巻はカエサル登場までのつなぎの物語でしかないのだが、僕はこの巻もとても好きなんだよな。

そして、ついに登場するのが「運命に愛された」英雄、カエサルの登場だ。どこまでも俗っぽく、しかし人間的魅力を秘めた、そして悲劇性も兼ね備えたこの人物は、色々毀誉褒貶も激しいけど、まあ、やっぱり面白いよね、物語として読んでいると。とゆーわけでその内読みます。

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