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2005.05.08

『タフの方舟(1) 禍つ星』読了

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タフの方舟(1) 禍つ星』(ジョージ・R・R・マーティン/ハヤカワ文庫SF)を読みました。おーもーしーろーいー。『氷と炎の歌』の大ヒットもあって、過去に書かれたSF連作短編集が待望の翻訳。これが実に面白く、作者の小説の上手さを再認識いたしました。訳も軽妙で読みやすくていいですね。続きが早く読みたいけど、次の巻で完結してしまうと言うのがもったいない気がしてきます。あー『サンドキングズ』も探してみようかな。

以下、各話感想。

「禍つ星」
零細交易商人のハヴィランド・タフがいかにして方舟を手に入れ、環境エンジニアとなったのかの顛末。
つかなんですかこのド派手な展開は。数千万種の遺伝子情報をもつ方舟の所有権を巡って繰り広げられる命をかけたバトルロワイヤル!異文明の動甲冑(パワードスーツ)、危険な宇宙生物、ティラノサウルスが一同に会して生存競争を繰り広げます。まさにハリウッド的というかエンターテインメントに徹した中編で、滅茶苦茶楽しい。
この段階ではまだ主人公、タフのキャラクターがよくわからないせいもあって、話がどう転がるのか分からないのがスリリングですな。
ところで、タフの慇懃無礼を絵に描いたような態度が非常に気に入ってしまった。ハマリそう。

「パンと魚」
方舟を手に入れたタフが、その修理に訪れた宇宙港で巻き込まれた事件とその顛末。
トリー・ミューンがとてもとても魅力的で良い。惚れそう。まさに筋金入りのやり手で、2手3手先を読む判断力と、いざとなれば冷酷さを兼ね備えながら豪放磊落で情も深いというすげえカッコいい女性であります。この人のやる事には本当に無駄が一切無いよ!すげー。
それにしても、タフには全然あこぎな商人というイメージがわかないな…。事前のイメージだと、初期のブラックジャンクのようなイメージがあったんだけどなあ(命を助けるが、人を破滅させもする)。どっちかと言うと権力におもねず、損得にも囚われず、自分の生き方を何よりも尊重する自由人という印象が強いです。

「守護者」
海からやってくる怪物によって危機に瀕した惑星ナモールへやって来たタフが、その驚くべき真相を明らかにする事。
まさにセンスオブワンダーって奴?と自分でも良く分からない単語を使ってみたくなるのは僕の悪癖だが、そう口走りたくなるぐらい面白い。海からやってくる怪物たちの描写の恐ろしげで素晴らしいのだが、その驚くべき生態が明らかになるまでのサプライズがもの凄い。途中で真相を推理しながら読んでいたのだけど、まさかSFミステリの方に流れるとは…ジャンルの垣根を越えたミスリードを行っています。ちゃんと伏線が張られているし、真犯人にも序盤に言及されているのでフェアではあるのだよな。
だんだんタフのキャラクターも理解できてきたので、安心して楽しめるようになってきた。基本的に好奇心を満たす事が最優先事項みたいだけど、プライドが高くて信義を大事にする。でも信義が関わらないところでは金を取れるところでは取る、と。…ん?ますます捉えどころがなくなってきたような…。

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