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2005.05.15

『トリポッド(4) 凱歌』読了

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トリポッド(4) 凱歌』(ジョン・クリストファー/ハヤカワ文庫SF)読了した。大変面白かった。

トリポッドの都市より持ち帰ったデータにより、近く主人達による本格的な移住が始まることを知った自由人たちのグループは、急遽対策を迫られる。自由人たちは、古代人の技術を復活させ、3つの都市を破壊するための作戦を実行に移した…というあらすじ。

それはともかくとして、SFジュブナイル、トリポッドシリーズの完結編である。平凡な主人公とその仲間たちが侵略者たちと戦うという紛れも無いジュブナイルでありながら、それだけに留まらず人間の身勝手さや醜さにも表現を踏み入れているところがとてもいい。僕は、常々子供に読ませるものには多少の毒が含まれていなければならないと思っている。物語が人の役に立つ事があるとすれば、そういう未知を知ること、あるいはその準備をさせる事なのではないかな。

今回、ウィルたちは、ついに主人たちの都市を破壊するための作戦を結構するのだが、その過程で彼が感じるのは自分が無力であるという実感だ。そもそもこのウィルは主人公にあるまじき程に平凡な存在で、頭脳ではピーンボールの足元にも及ばず、指揮官としてはフリッツの補佐、リーダーとしての資質ではヘンリーに劣ると言う、あとはちょっと勇敢で(その分短気で辛抱が効かない)幸運なだけ。今まではその幸運さでもって多少の(偶然ではあれ)活躍はしているのだが、最終決戦を前にしてウィルのやった事と言えば、上司と喧嘩してあわや事態をご破算にしかかったぐらいだ(まあ、持ち前の幸運で結果的にプラスになっているのだが)。
しかし、物語の最後で、ウィルは自分の欠点を受け入れ忍耐を知る。それが最後のウィルの決意に繋がっていると感じた。つまり、この巻はトリポッドシリーズの最終巻であると同時に、彼の新たなる旅立ちを意味しているのだろう。まったくどこまでも正しくジュブナイルだなあ。

あ、最後に言いたい事が。<ネタバレ>とりあえず、フリッツの扱い方に納得がいかねー!お前、前回での行為はなんだったんだ!ああも思わせぶりにしておきやがって!死んだ者は死んだままににしておけッ!<ここまで>少年ジャンプみたいな事をするんじゃねーよ、と言いたい。

とまあ、最後に文句を吐き出しておこう(後を濁しまくり)。

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