« 本日の購入物 | トップページ | 本日の購入物 »

2005.04.20

『翼ある闇』読了

4062632977
翼ある闇 メルカトル鮎の最後の事件』(麻耶雄嵩/講談社文庫)読了。実は初めての麻耶雄嵩であります。

京都近郊に建つ中世ヨーロッパの古城を思わせる館、蒼鴉城。名探偵、木更津悠也と相棒の”私”が訪れた時、惨劇は巻き起こる。首無し死体、密室、蘇る死者、見立て殺人など常軌を逸した、名探偵を嘲弄するが如き惨劇は、もう一人の名探偵、メルカトル鮎の登場を促す。二人の名探偵の推理の行方は如何に?

唖然呆然コメント不能。すげー。
もう十二年前の作品であり、僕のようなミステリ歴の短い人間から見るともはや古典と対して変わらないレベルの作品ではありますが、十二分に面白かった。ミステリ的には論理的というよりはインパクト重視で、緻密さよりはトンデモが目立つような作品ではあったけれど、ここまでやってくれれば何も言う事はありません。というか、トリックのぞんざいさは清涼院流水と大して変わらないような気もするが、あちらほどはぶっ飛んでいない。まだ理の範疇かな。とはいえ、その意味では、現在のメフィスト賞系の流れではあるのでしょうね。

それにしても、本当にメルカトル鮎の最後の事件なんだな。タイトルからしてインパクトがすごいけど、これだったら作品のシリーズ探偵はメルカトル鮎だと思うじゃないですか普通。そしてそれは間違っていないわけだけど、それがああいう展開とは…これが麻耶雄嵩の作品がアンチミステリと呼ばれる由縁か。もはや名探偵も、謎も、トリックもすべて意味を失い、ミステリ的世界観がすべて崩壊していく感覚を味わう事が出来ます。ラストのあんまりなオチには思わずゲラゲラと笑いが込み上げてしまって参りました(別に笑えるオチというわけではない)。これはミステリ作品(それも古典)に慣れ親しんだ人ほど衝撃を受けるんだろうなあ。

時の流れを感じさせない見事な作品でした。この衝撃が薄れないうちに続きを読みます。

|

« 本日の購入物 | トップページ | 本日の購入物 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29313/3786265

この記事へのトラックバック一覧です: 『翼ある闇』読了:

« 本日の購入物 | トップページ | 本日の購入物 »