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2005.04.22

『A君(17)の戦争(8) うしなうべきすべて』読了

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A君(17)の戦争(8) うしなうべきすべて』(豪屋大介/富士見ファンタジア文庫)を読み終わりました。相変わらず面白い。たまらん。

圧倒的物量で魔都ワルキュラへ殺到するランバルト王国軍に対して、小野寺剛士が率いる魔王軍は精霊ネットワークを活用した指揮系統システムを構築して対抗する。しかし、奮戦もむなしくその戦力差の前に魔族たちは疲弊していく。激化していく戦闘を実感しながら、剛士はただひたすらに耐え続ける。逆襲に転じるその時まで…。

魔王領攻防戦が続く第八巻。今回は封建国家ゆえに圧倒的戦力を動員できるランバルド王国に対して、文化的に成熟しているために戦力で劣る魔王軍がひたすらに防衛戦を繰り広げる展開に。恐怖に震えながら殺し合いを繰り広げる兵士たちと、彼らを死地に追いやる剛士の(普通の男子高校生的メンタリティを持つが故に、その事実に忸怩たる思いを抱き続けている)心の動きを描いている。というか、一冊丸ごと戦争と剛士の事しか書いていないこの潔さは特筆に値すると思う。それが面白いんだから何も言う事は無いわな。

相変わらず、人間や良識、現実を認識しようとしないオタクに対する嫌悪感が行間にたっぷり含まれていて挑発的だ。ライトノベルでここまで真面目に架空戦記を描いているのはついぞ知らないが、それよりも何よりも、この毒々しさが大変にたまりませぬ。モテモテ主人公、オタクを肯定する優しい世界を描きながら、同時にそんな世界でもバタバタ人は死んでいく事、そして人に慕われると言う事は責任を背負わなくてはならないと言う事を、決して皮肉めいた書き方では無く描いているのはこのシリーズの良いところです。まあ、それだって、結局はファンタジーではあるのだけどね。やっぱり理想論でしかないという欠点はあるし、また巧妙にヒロイズムを満たしている書き方はあざといなあとは思う。面白いからいいけどね。

ところで、この巻から挿絵が伊藤岳彦から正式に玲衣に変更されている。これまであったほんわかした雰囲気を廃して、ちょっぴりシリアス度が上がっている感じだ。ついでにエロス度も上昇しているような気がするが、まあそんな事はどうでもいいや。どことなく緒方剛志に似ている気もするな。

延々と続く魔王領攻防戦だけど、ちっとも話が続かないのでもうちょっと一冊の分量を長くしてほしいと思った。こんな戦闘の一局面だけを断片的に見せられたんじゃストレスが溜まりますよう。いっそのこと攻防戦が終了するまで書いて、まとめて上中下巻みたいにしてくれたらいいんじゃないかなと思いました。

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