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2005.04.11

『我が家のお稲荷さま。(4)』読了

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我が家のお稲荷さま。(4)』(柴村仁/電撃文庫)(amazon)読了。ゆったりと面白い。

鬼の許へ帰ったはずのシロちゃんが何故か大人になって帰ってきた。喜びながらも混乱する透だが、シロちゃんを追ってきた鬼たちに囲まれて困惑する。透はシロちゃんを連れて逃げ出そうとするが…。

放電映像のイラストも冴え渡る第4巻。まあ内容は相変わらずスケールが小さい世界で細かいお話が繰り広げられているんですが、キャラクターが立っているのでそれだけでも結構面白い。この作品を読んでいると、キャラクターをきちんと立たせると言う事の重要性が良く分かりますなあ…なんてな、戯言だ。ただ、事件に対するキャラクターの態度とリアクションにぶれが無いので、物語が非常に安定感があるように思う。偏った考え方をする人が少ないのも個人的には好感度大だ。善と悪を極端に分けるのではなく、両方のバランスをとった判断をしているという点で、結構知的な小説かもしれないと思った。例えば、主人公の透は、何かを選択するためには何かを諦め無ければいけない事を知っている、とてもクレバーな小学生だけど、でもその選択が出来るということは、小賢しさとは無縁な無私の心を持っているということなのだ。

独善と思い込みが肯定される世界も別段悪いと言うわけじゃないけど、僕は周囲との調和を大事にして、自然にさりげない行為を描いたこの世界が大変良いと思う。自分の我を押し通すばかりが生き方じゃ無いし、相手の話に耳を傾けることだって重要なのは当然の事。この作品に対して僕かが感じるイメージは、そういう”対話”だったりするのだけど、我ながら何を言っているのか良くわかりませんね。でも気にしなーい。

今回は(この作品にしては)バトルというか対立や負の感情がクローズアップされた感じだったかな。また一つの決断と喪失を味わってしまった透だけど、この結末ではハッピーエンドは難しいだろうなあ。あそこでああいう決断が出来るとはまったくたいした小学生だよ、こいつは。精神的に良い意味で大人すぎるが嫌味がない。完璧超人か。

決してこの世界は優しいだけではないと言う結末は、もしかすると転機になるのかも知れない場面だったのかも知れないと感じた。続きが楽しみ楽しみ。

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我が家のお稲荷さま。4巻です。感想です。 著者:柴村仁 イラスト:放電映像 出版:電撃文庫 3巻の続きです。 巻頭の口絵のシロちゃんを見てビックリ。 これ、今のデスクトップの壁紙じゃん! 今まで素で気づきませんでした。鈍感すぎorz 鬼の許から戻ってきた... [続きを読む]

受信: 2005.05.22 23:35

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