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2005.02.06

航路のネタ

航路を読んでいたら思いついたことがあったので書いてみる。避けるようにはしているが、多少ネタバレっぽいところも出てしまうので注意して下さい。
 
 
この作品の主要なテーマに、「伝える」という事がある。このテーマは徹底していて、作品のほぼ全編に渡って、「伝える」事の困難さを描いているといっても良い。これについて深く追求するとネタバレになってしまうので避けるが、「航路」を読んでいると、他人と話をしていて自分の言葉が相手に理解されないという焦燥感を思い出した。
 
 
話は変わる。
作品内で幾度も登場する「メタファー」と言う言葉がある。すなわち、ある事柄についての関連性を見出す事で象徴的に物事を理解しようとする事だ(間違っているかもしれないが、この作品からはそのように受け取れた)。この事はコミュニケートの困難さを克服する方法として用いられていたが、これは『物語る』という行為とも深い関わりがあるのではないかと感じた。例えば、小説に描かれている行為は現実に起こったことではないのは勿論だが、なんらかの出来事(作者の持つ「経験」あるいは「テーマ」と言い換えてもいい)を象徴的に表しているのではないかと感じた。描かれている事は、必ずしも作者の体験そのままではない(そのままだとノンフィクションや自伝になってしまう)が、かつてあった出来事に通じる関係性、それを新たに肉付けする事で、時代や世代を超えた普遍性を獲得できるのではないか。現実に起こった出来事そのものはすぐに風化してしてしまう事から、時間という絶対なる無慈悲さに対抗するためには、「メタファー」というからで包んだ「物語(フィクション)」が必要になるのかも知れない、と思った。

と書きながら気が付いたのだが、別段フィクションだって時間がたてばすぐに風化するし、そのことを考えると上記した事はあんまり意味が無いような気もしてきた。むむう。

でも忘れると勿体無いので消さずに残しておく事にしよう…。

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