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2005.02.06

「航路(上)(下)」、読了

航路(上)」「同左(下)」(コニー・ウィリス)を読了した。もの凄く、とんでもないほどに凄い作品。一部の人間ではなく、多くの人が読んで楽しめると言う意味では、こういう作品こそ傑作と言うのかもしれない。まあ、本の厚さに恐れをなさなければだけど(でも、それで読まないのは凄くもったいないなーと思う)。

それにしても、コニー・ウィリスは小説が上手い。上手いと言うのにも色々あると思うのだけど、この作者の上手さというのは、読者の興味をそそりつつ、かつ簡単には満たさず、ここぞと言うところですべてを明らかにすることによるカタルシスを演出できるところにあるのだと思う。別の言い方をすると、馬の鼻先に吊り下げられた人参のちらつかせ方が上手いと言う事だ。何しろ、第一部からして(この作品は三部構成だ)、主人公である2人、ジョアンナとリチャードが直面する問題が解明されそうでされないお預け状態が続いており、そのいっかな進まない展開に、早く何とかしてくれよ!、と叫びたくなる事もしばしば。そのイライラ感まで作品のページをめくる原動力になってしまうのだから始末に終えない。作者の手のひらの上を踊ってるなあ…。

しかし、コニー・ウィリスが凄いところはそこだけに留まらない。第二部に入ると物語のスピードは加速度的に早まり、次々に謎が解けていくカタルシスと、真実のテーマが明らかにされていく感動のストーリーが展開される。ここのスピード感は素晴らしい。しかも、そこからさらに二転三転の大どんでん返し。感動の結末へと進んでいく。白状するが、結末近くには、自分の感情のうねりを抑えられなくなってしまった。本当に泣きそうな気持ちにさえなった。目に涙ぐらいは浮かべてたかもなあ…。色々本を読んでいるが、ここまで感情を揺さぶられるのは珍しい。この前は「ぺとぺとさん」…しまった最近だった!まあ、それはともかく。

この作品がそれほどに胸に迫るのは、たった一つのとあるテーマが明確にある所為だと思う。それを語るのはひょっとしたらネタバレになってしまうので書くつもりは無い。ご容赦の程申し上げます。

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