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2005.02.03

「熱帯」、読了

熱帯」(佐藤哲也)を読了しました。………開いた口が塞がらないとはこの事か。

いやはや…佐藤哲也はやっぱり凄い。つくづくオンリーワンの作家であるという事を強く認識した。
この作品は、もはや面白いとかつまらないとかそう言う事象をすでに超越している。さらに、この作品ほどに他人にあらすじを説明するのに途方にくれる作品もない。脱帽です。

一言で内容を表すなら、【「イリアス」風叙述形態に則ったIT業界風雲録、のようにみせかけたイデオロギーの不毛さを風刺したユーモア小説かと思ったけど実はギリシャ哲学への愛に溢れた真理探究の物語であるという事実は無いのでやっぱりスパイ小説なんじゃないかなあ、と妄想するもののきっとこれはファンタジーなんだろう】です。これ以上内容を要約できません。僕には無理です。

はっきり言って一行進むごとに分けのわからん世界が表出し、一体何を言っているんだ!と叫びたくなりつつも、作者の超絶技巧によってリーダビリティは極めて高い。本当につるつると頁をめくってしまう。内容が全然わからないというのにこの読み易さは異常ですよ!

全体的に荒唐無稽なのに、IT産業の悲哀を描いているシーンは、なんだかもの凄いリアリティがあった(作者はSEだったっけ…)。分けの分からん方針を打ち出す大規模プロジェクトの責任者、ころころ言う事が変わるユーザーなど、思わず読んでいて胃が痛くなりそうだった。

さらにそこから天上の神々(いるんですよ…)が好き勝手に介入してきやがるものだからもうわちゃくちゃです。で、てっきりそっちの方向話が進むのかと思ったら、突然「愛国的気候論者」(まあ、エアコンを破壊するテロリストだと思いねえ)が暗躍するスパイ小説になってしまって…。凄すぎです。

とにかくタイトルの通り、まるで熱にでも浮かされたような支離滅裂、奇妙奇天烈なハイテンションに彩られた作品です。とにかく凄いとしか言いようが無い。おそらく僕は、この小説の半分も理解できてないんだろうなあ…。

(ところで「弁証戦隊ヘーゲリアン」の続きが気になる。あと「プラトン・ファイト」の決着はどうなったんだ?ソクラテスが勝ったのか?気になってしょうがない)

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