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2005.01.18

「鬼刻」、「鬼刻 コイヤミ」、読了

作者の名前、字面だけだと男性のようだけど、女性らしいですね。「かや」と読むそうです。

鬼刻」、「鬼刻 コイヤミ」(城崎火也)読了。なかなか面白かった。

あんまり期待せずに読み始めたせいか、非常に楽しめた。それほど話題になっていると言う話も聞かないこの作品ですら面白いので、ひょっとするとスーパーダッシュ文庫には外れが無いのか?と言う気さえしてくる。電撃文庫の天下も安泰と言うわけではないかもしれないな。ま、層の厚みが全然違うから、よっぽどのことが無い限りスーパーダッシュがライトノベルのメインストリームになる事は無いだろうが。

さて「鬼刻」の話である。
この話は、死者が生者の肉体を乗っ取って生き返ると言う現象、「鬼病」を巡って起こる事件と、それに巻き込まれた人々を描いた伝奇小説である。伝奇という言葉がそぐわなければ、ホラーアクションでもサスペンスでもいい。

この作品の特徴は、主要な登場人物のほとんどが「鬼病」によって精神的、肉体的な傷を負い、現在も苦しみ続ける「被害者」であると言う点だろうか。特に女性の描き方は、いわゆる「抑圧される性」としての描写が冴え渡っていて、一応男性に属するところである自分としては、いろいろときついシーンが多かった。その点が、いわゆるライトノベル的なエンターテインメント性を損ないかねないと思うが、これはこの作品の長所だと思う。

話の展開に付いては、正直なところ、やや無理が多いような感じがする。そもそも、主人公である志郎が「鬼病」に関わるようになるきっかけが弱すぎる。いくら何でも、砂川嵐(女性、志郎の相棒になる)の勘だけで事件に関わるようになるのは流石にどうかと…。また、ヒロインとの関わり方も相当に強引で、あれじゃあ警戒させるだけだと思うのだけど。

しかし、それでもこの作品が安っぽくならないのは、先ほども書いたように、過度の暴力にさらされた人間の恐怖、絶望、無力感を、真面目に書いているためであると思う。それがあるからこそ、感情に引きずられがちな登場人物たちの行動に納得できるのだと思う。

それはそれとして、真朝は良い娘だ。もはや単に良い娘だという範疇では括れない程に良い娘である。僕は彼女がメインヒロインだと思っているのだが、少数派かもしれない。ツンケンしまくっている嵐もけっこう好きだけどね。

コイヤミが終わって、新たな火種を抱え込んだようでどうなる事やら楽しみである。
相変わらず主人公達が属している組織の正体もさっぱり分からないし(そもそも実態があるのかどうかも疑わしい)、藤坂はもの凄く怪しいし、「鬼病」ってのがどういうものなのかも明らかにされていない。このあたり、まだまだ二転三転がありそうだ。

続きが大変気になるので、後はちゃんと続きが出てくれる事を祈るばかりである。

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