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2005.01.03

「毛布おばけと金曜日の階段」読了

「毛布おばけと金曜日の階段
…あーこれは面白い。というか良いお話だ。

主人公の姉は壊れている。両親が死んでから、毎週金曜日になると毛布お化けになって階段にうずくまる。
でも、人間誰でもつらい時はあるし、そのつらさを表に出せない人間は壊れるしかないわけで。真面目でやさしいお姉ちゃんは壊れるのは当たり前なんだ。

で、妹の方の未明だって問題があって。
考えすぎて、ぐるぐるぐるぐる同じ所をうろうろして一向に前に進む事が出来ないでいる。あるいは両親の死をいつまでも悲しむ事も出来ず、もてあまし、壊れる事すら出来ない。

そんな二人と姉の恋人で妹の友達である男の子(彼も問題を抱えている)の間で、お互いを支えあう擬似家族を展開させているのだが、しかし、それが一時の慰みに過ぎない事を作者はきちんと理解しており、その上でこの擬似家族を肯定している。

生きることに傷ついて、不器用で、やさしくて、それでいて前向きな物語。
ラストの描き方も、ほんの少しだけ生きることを肯定させてくれる、それでいて押し付けがましくない。

良作だと思う。

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