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2005.01.23

「泣き虫 弱虫 諸葛孔明」、読了

泣き虫 弱虫 諸葛孔明」(酒見賢一)読了しました。ギャース!面白すぎるー!こんな適当な三国志初めて見たよ(褒め言葉)!

もう1ページごとにゲタゲタ笑いながらあっという間に読了。あっという間と言うのは僕の主観であり、ふと気が付いたらあたりがすっかり暗くなっていて驚いたと言う事は述べておきたい。あと、1ページごとと言うのはちと大袈裟だったか。

タイトルの通り、諸葛孔明が主人公の話である。諸葛孔明といえば、中国史上でも歴史に残る名軍師、と呼ばれていて、日本人のファンが凄く多い。何故か日本では「切れ者」として名が通っており、『孔明に学べ!』とかそういう方面においても知名度が高いと言える。おそらくは忠義を尽くして非業の死を遂げると言うあたりに、日本人のセンチメンタリズムを刺激するものがあるのだろうな。

しかしまあ、この話はそう言った孔明好きな人々から見たらとんでもない作品です。この孔明は天才と何とかは紙一重と言うか、すでに紙一重の向こう側じゃないのかといわんばかりの奇行ぶり。苛められれば恨みを忘れずあとで三倍返し。告げ口するわ放火はするわとにかく性格が悪い。かと思えば道服を着込んで仙人の真似事をして語るのは宇宙のことばかり。すげえ!

10年をかけた大作、「陋巷にあり」が完結した反動もあるのか、語り口から物語まで何から何までのびのびしており文体まで変幻自在傍若無人である。即興で語る講釈士のごとく立て板に水の軽妙ぶりで、いきなり「ヘイ、キル・ゾーズ・フェローズ(奴らを吊るせ!)エクスタミネート、イエローターバンズ!(黄色頭巾どもを血祭りにあげろ!)」とか欧米版三国志の話をし始めるしもう大変!さらにはアニメネタ、漫画ネタ(いや三国志時代に美味○んぼは無いから!)まで散りばめて好き放題この上なし!誰も止めなかったのか?!もっとやれ!

しかも、一応、三国志演義を下敷きにしてあるせいで、そちらにあった矛盾などもそのまま取り込んでおり、それを強引な論理展開によって無理矢理お話にしており、その牽強付会ぶりにはもはや腹を抱えて笑うしかない。まさか「三顧の礼」がここまで抱腹絶倒のコントだったとは…。身も心もズダボロにされる劉備こそ哀れ。あんたら鬼だ。

しかし、時折顔を出すストーリーテラーとしての手腕は流石である。ここまで滅茶苦茶やっているのに、それでもこの作品には気品がある。ホウ徳公(字が出ない…)と劉備との会話に代表されるように、作品の核には、ふざけていてもきちんと芯が通っているが分かる。人はいかに生きるべきか、それを捜し求める人々の姿がそこにはある。

さて、結局孔明が三顧の礼を受けるところでこの作品は終わっているのだが…続きをぜひとも出して欲しいぞ。せめて孔明の鉄人兵団が未開の地で大暴れのシーンは是非見たいのでお願いします作者殿。

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