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2004.10.26

ひぐらしのなく頃に、読了

助けて!京極堂!!

<あらすじ>
前原圭一が雛見沢村に引っ越してきてから一月あまり。初めての田舎暮らしに戸惑う事は多かったが、クラスの仲間にも恵まれ、毎日を楽しく過ごしている。かつてダム闘争で波乱の歴史を築いてきた雛見沢村も、今では穏やかな平和を満喫していた。圭一にとっては初めての雛見沢のお祭「綿流し」が近づいてきており、子供達もまた祭りの喧騒を楽しみつつ毎日を過ごしていた。
事件の起きるその時まで、圭一は、この生活が何時までも続くことを疑っていなかった……。

てなわけで、「ひぐらしのなく頃に」を読了しました。…読了で良いんだよな。コミケで発表されていた同人ゲーム(ノベル?)作品の一般発売版です。
もうすでにあっちこっちで(一部)話題沸騰で、今更語ることなんて無いような気もしますが(流行には常に乗り遅れる男、吉兆)、やっぱりすごかった。かなりおすすめ。

お話の基本骨格は、都会からとある事情から田舎に引っ越してきた主人公「前原圭一」が、都会とは異なるゆったりとした時間の流れる雛身沢での日常から幕をあける。しかし、ある時とある事件に巻き込まれ、それまで日常と信じていた世界が反転し、恐怖の世界が滲み出てくる…と言う話。

さらに、当初三つのシナリオが提示されており、設定、キャラクターは共有しながら、それぞれ焦点の宛て方が異なる物語が綴られるところも興味深いところです。一つのシナリオからでは見えない設定やキャラクターの側面も別のシナリオから見ると明らかになったり、このあたりゲームとしての特色をうまく利用していますね(小説では一つの話しか見えない)。

はっきり言って、怖い。コミカルとさえ言える日常が、とある瞬間に突然暗闇に足を踏み外したかのように反転する。
果たしてそれは夢か現か幻か。人為的な事件なのか、超自然的な出来事なのか、それすらも分からず事件は起こる。

思うに、真に恐ろしいものと言うのは「未知」である。正体不明の存在こそ、人は恐れる。理解の及ばない出来事を人は畏怖する。ここにあるのはまさにそれだ。正体不明、理解不能の恐怖がそこにある。

こんな事を書いていると、大袈裟だなあ、と思う人がいるかもしれない。しかし、そうではない。これはゲームをやっている時の僕の心境そのままだ。ゲームをやっていて、全身が凍りつくような体験をしたのは初めてである。なんの変哲もない少女の立ち絵に、何でこれほどの恐怖を味合わなければならんのか。

このゲームをやっていて感じるのは「何故?」である。何故、こんな出来事が起こっているのだろう?しかし、このゲームではそれは結局のところ明らかにはされることはない。それゆえに、見事なホラーとして完結されているのだ。
その真相は次回作の「目明し編」にて明らかにされる、はずである。果たしてそこで明らかにされるのは、すべてに合理的な説明がつくのか(ミステリ)、あるいはルールの異なる論理が待ち受けているのか(SF)、あるいは何一つ解明されないのか(ホラー)。それすらも明らかにされないままだ。

解決編が来るのが待ち遠しいような、今のすべてが謎に包まれた混沌をもう少し眺めていたい様な、矛盾した気持ちである。

興味のある方は、HPの体験版をプレイされると良いと思います。最初のシナリオ「鬼隠し編」をプレイできますので。

ああ、事件の真相についてですか?

そんなの知りません(いつも通り)。

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コメント

『読了』という表現――意識的に使ったわけでもないと思うが、なかなかに卓見ですな。
サウンドノベルという形式はそのシステム中に反覆を内包する。物語の仕組みとして繰り返しのプレイを要求し、たとえば、最終的には『ピンクのしおり』のようにその世界に存在する謎の全てを俯瞰することができる(一般的なノベルゲームにおいてもシナリオ達成率が表示されている)。
ある意味で、物語に対してのパースペクティブを獲得する過程を楽しむゲームといえるでしょうか。

『繰り返す世界』というモチーフは基本的に死と再生、日常と非日常の連鎖、民俗学っぽく言うとハレとケでしょうか。

Dr.イリーとか見ていると吉兆さんの中の人を思い出してしまったよ。なんでだろうねえ。すごく似てないか?

投稿: 背徳志願 | 2004.10.27 16:18

小説に選択肢という概念を持ち込んだノベルゲームという形式は、色々と可能性のあるシステムかもしれません。
しかし、最近の傾向は選択肢をむしろ狭める方向に向かっているようなのが興味深いところです。

この「ひぐらしのなく頃に」は、ノベルゲームでありながら、選択肢を完璧に排除したと言う点はとても面白いと思います。特に、それでいて、紛れもなく「ゲーム」であると言うのは、すごく画期的な出来事のように思いますね。

投稿: 吉兆 | 2004.10.27 23:23

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