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2004.10.14

Alice、読了

Alice」(川崎康宏 電撃文庫)を読みました。

くそーあらすじが書き難い…。

<あらすじ>
カナダ国籍を持つグリズリー、ボーボーが経営する探偵事務所でバイトをしているアリスこと狗頭蘭子は、大学進学を目指す女子高生。クラスメイトに片思いをしながら、ちょっぴりジェノサイド渦巻く平凡な日常を過ごしている。猫探しの仕事も首尾よく終え、買い主の元に届けようとしたところ、突然謎の男達に襲われる。容赦なく返り討ち&血祭りに上げたアリスだったが、なんだかよくわからないトラブルに巻き込まれてしまったようだ…。
 

大変シュールな不条理劇でありました。これ、面白いよ!

ギャグと言うよりはユーモア。すっとぼけた語り口と、細かい説明を省いた展開が不条理感をさらに引き立てます。
どいつもこいつも真剣に行動しているのに、展開のあまりの不条理さ、ばかばかしさがそれらを台無しにというか別の方向に持っていっています。ただキャラが存在するだけで笑える事実。面白いなあ。

しかし、世界自体はかなり深刻な情勢の様子。日本はアメリカの実質上の属国となり、世界規模での環境異変が起こってアリス自身を始めとしてさまざまなミュータントが存在しているようだ。すでに治安も最悪で(ひょっとすると政府自体が機能していないのかも)、殺人すら犯罪とは扱われない世界。

ところが、我々から見ると異常極まりない狂った世界も、そこに住む人たちにはごくごく当たり前の世界であり、常態なのであった。グリズリーが言葉を喋ったって、女子高生が暴漢を撲殺したって、アメリカ海兵が空を飛んだって、そりゃそーゆーものなのである。

「我々の常識」と「作品内の常識」のギャップ、そこから生まれる感覚のズレ。それこそが、この物語の最大の魅力なんだろうなあ。

そういえば、デビュー作「銃と魔法」も、魔法が実在する現代を舞台にした、エルフとドワーフの刑事コンビが事件に挑むハードボイルドという作品で、大真面目にばかばかしい事をやっている作風は、この頃から健在でしたねえ。

あと、「不思議の国のアリス」とは何の関係もなさそうですね。…もしかしたらこの物語は、男性が勝手なイメージを押し付け消費する「アリス」という偶像の一つの抵抗の形なのかもしれない…わけは無いか。


とりあえず、アリスは可愛いよな(締めがそれか)。

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コメント

まとまった感想で、ものすごく解りやすかったです。

実は、まだ「銃と魔法」は読んでないんで…すごく興味があるんですが…。
今度、買ってきます!

投稿: 綺羅 | 2004.10.16 08:21

ありがとうございます。
ぐちゃぐちゃと妄想を垂れ流しただけの駄文ですが、少しは役に立ったのかどうか。

「銃と魔法」は今、絶版で手に入り難いです。
古本屋で探すした方が良いかもしれません。

投稿: 吉兆 | 2004.10.17 18:23

そうですか…絶版なんですか。
分かりました。
ありがとうございます。
明日にでも古本屋に……。

駄文…そんなことありませんよ!

投稿: 綺羅 | 2004.10.17 23:47

今更だけど、この作品について重要な事を書くのを忘れていた。

クマ最高。


思い残す事は無い。

投稿: 吉兆 | 2004.11.06 20:06

ああ、「銃と魔法」の作者さんか。
どっかで聞いた名前だと思ったぜ。

独特の世界観の―なんていうか生活観のある世界立てがうまかったような記憶がある。
『Alice』買ってみようかしら。
なんか表紙というか雰囲気がKURAUっぽかったので回避していたのだが。

投稿: 背徳志願 | 2004.11.08 14:37

「KURAU」とは全然違いますよ!!比べるのが失礼にに当たるくらいです。


どっちがと言われると…うーん、ノーコメント。

投稿: 吉兆 | 2004.11.09 22:34

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