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2004.09.02

「グアルディア」読了。

グアルディア」を読んだ。

…バランスの悪い話だなあ…。

<あらすじ>
遺伝子工学の爛熟により異形の地と化した27世紀の南米。愛憎劇の果てに解放者アンヘルが求めた世界とは?(紹介記事より)

<感想>
まー何というか…。
モチーフはとても魅力的だ。たった一つの大切な存在、守るべき者のために、飽くなき闘争に身を委ねる二人のグアルディア(守護者)。神話的とも言えるモチーフに、俗界の野心、愛、憎悪が渦を巻いて絡みつき、より物語的な厚みを深めている。
また、世界観も面白い。放射能、謎のウイルスによって異形の地となった中央アフリカ。数多くの移民によって人種の坩堝と化している。各地の支配者たちは己が支配権の確立に血道を挙げるも、天空におわす神たるコンピュータ、サンティアゴの雷により海と空は閉ざされていた。ある時、サンティアゴにアクセス出来ると言う「解放者アンヘル」が現れる。サンティアゴの雷を封印した彼の勢力は瞬く間に支配圏を増してく、というのが序盤のストーリーになる。
このあたりも、上手く異世界を構築しているのが感じられる。

しかし、残念ながら、そこで語られている物語には不満が残る。おそらく、作者は自分のやりたい事を片っ端から詰め込んだのだろうなあ…。その姿勢は良いと思うし、そのアンバランス感が不思議な魅力になっているのも否定は出来ない。ただ、作者の視点が定まっていないせいか、非常に散漫な印象をうける。作者が、結局、何を言いたいのかがさっぱりわからない。当初、主人公と思われる(表紙にもなっている)JDとカルラの親娘の視点から物語は始まるが、二人についてはろくな人物描写をされることも無く、すぐに「解放者アンヘル」サイドへ物語はシフトする。と思ったら突然脇役と思しきダニエル少年の視点に移る。頼むから、もう少し落ち着いて人物描写をしてくれと言いたい。結局、JD親娘については、ほとんど内面が描写されずに終わったからな…。まあ、作者の興味がそこになかったのだろうが。
だけどなあ…物語は最終的にこの4人に収束していくというのなら、JD親娘の描写を省いたらいけないだろう、と思うのだが。あるいは、僕が読み取れていないのか…。でも、JD、カルラの内面描写って通り一遍しかありませんでしたよね?ね?(と思わずあさっての方向に確認してしまう気の小さい吉兆さん)。

逆にアンヘル側は、これがもー作者が楽しんでいるんだろうというのがありありの、泥沼の愛憎が展開されているですが、逆に描写範囲を広げすぎのような。アンヘルの養父と養父の息子達とその愛人と友達まで満遍なく描写すればそりゃページも足りなくなるってもんだよなあ…。

とまあ、ここまで文句ばっかりつけてしまったのだが、アンヘルとJDが出会ったあたりからは結構面白くなった。登場人物それぞれの感情の流れがようやく分かってきたからかな。自分の望みのために他のあらゆる物を捨てて望みをかなえようとする物語はとてもよかった。ラストの閉め方も悪くないしね。それぞれが自分のなすべきことを成し遂げて終わっている。
エピローグはどうだろうなあ…。

結論としては、設定や世界観のセンスはかなりすごいと思う。個人的には、もうちょっとキャラクターを大事にして欲しいなあ、と思うけど。この辺は人それぞれですかね。化ければすごいものを書く人のような気もします。

次回作に期待。

<2004.12.29修正>
あらすじの中央アフリカを南米に修正。
…全然違うじゃないか。何でこんな間違いをするかなあ…。
いや、言い訳するわけじゃないですが、どこかの紹介記事をそのままコピーしたんですよ…って確認しなかった自分が悪い。というか気付け。

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コメント

中央アフリカ→南米ですよ。

このコメントは削除可でOKです。

投稿: レフ | 2004.12.28 19:42

世間に向けて無知をさらしてしまった…。

ご指摘ありがとうございます。
修正させていただきます。

投稿: 吉兆 | 2004.12.29 09:54

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